2020年11月3日にアメリカ大統領選挙の投票が行われ開票の結果、民主党のジョー・バイデン氏の当選が確実となりました。

バイデン大統領の誕生が確実となる中、トランプ氏を支持する人々が今回の選挙が不正だとするデモ行進を行うなど混乱している状況です。

日本でも注目しているアメリカ大統領選挙ですが、バイデン大統領の誕生によりどのような変化が起こるでのしょうか。

今回は、バイデン氏とトランプ氏の違いやバイデン大統領誕生による日本への影響などをまとめてみました。

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アメリカ大統領選挙の仕組み

出典:https://jocr.jp/raditopi/wp-content/uploads

アメリカ大統領選挙は日本とは大きく違い、有権者が直接投票して国のトップを決定します。

今回、日本のメディアでもアメリカ大統領選挙を大きく報道していたため仕組みを知っている方も多いかもしれませんが、仕組みの結果に与える影響を知るためにもわかりやすくまとめてみました。

まず、アメリカは民主党と共和党の二大政党制です。

アメリカ大統領選挙は民主党と共和党の各党が大統領候補を絞り込み、党の候補者どうしが大統領の座をかけて選挙にて争います。

アメリカ大統領選挙の投票日は4年に1度で、「11月の第1月曜日の翌日の火曜日」と連邦法で定められており2020年は11月3日に行われました。

投票できる有権者は事前に登録した18歳以上のアメリカ国民ですが、有権者が投票した総得票数で大統領選挙の勝者を決定するわけではありません。

まず、投票は州ごとに行われそれぞれの州ごとに勝者を決定するのですが、人口などに応じて割り当てられた「選挙人」という人がいます。

出典:https://国際問題.com/wp-content/uploads

それぞれの州の得票数勝者はその州の選挙人を獲得することができ、ほどんどの州で勝者が州の選挙人を全て獲得できる総取り方式を採用しています。

アメリカの選挙人は538人いるため過半数の270人以上の選挙人を獲得した候補が勝者となり、この勝者が次期大統領です。

通常であれば投票結果は投票日の夜から翌日未明には確定しますが、今回は新型コロナウイルスの影響により郵便投票が増えたため集計作業に遅れがありました。

この選挙人制度が大きく影響したのが4年前の前回のアメリカ大統領選挙です。

前回は民主党のクリントン氏と共和党のトランプ氏の大統領選挙でしたが、総得票数では民主党のクリントン氏が200万票以上も多かったのですが選挙人の獲得がトランプ氏が74人多かったためトランプ氏の勝利となりました。

バイテン氏とトランプ氏のプロフィールや経歴などを紹介!

出典:https://amd-pctr.c.yimg.jp/r/iwiz-amd

民主党 ジョー・バイデン

ジョー・バイデン氏はペンシルベニア州スクラントン出身で、1942年11月20日生まれの78歳です。

家族構成は、英語教師のジル夫人(1人目の妻は死別)と4人の子供(うち2人死去)と6人の孫がいます。

弁護士出身で上院議員を36年間・オバマ政権の副大統領を8年間務めた経験があります。

バイデン氏にとっては今回のアメリカ大統領選挙は3度目の挑戦です。

バイデン氏はカトリック信者であることを公言しており、主な支持者は高齢者や黒人層などです。

共和党 ドナルド・トランプ

ドナルド・トランプ氏はニューヨーク州クイーンズ出身で、1946年6月14日生まれの74歳です。

家族構成は、元モデルのメラニア夫人と(2度の離婚経験があり3人目の妻)と5人の子供と10人の孫がいます。

トランプ氏は不動産王として有名で、ホテルやカジノ経営で成功しワイナリーやゴルフ場などの不動産も所有しています。

2004年からテレビ番組の司会を務め一気に有名になり、2016年に政治経験はありませんでしたがアメリカ大統領に初当選しました。

トランプ氏は幼少期にキリスト教プロテスタントの宗派の1つの教会に通っており、自身もクリスチャンであることを主張しています。

トランプ氏の主な支持者は、キリスト教保守派と白人の労働者層などです。

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バイデン氏とトランプ氏の政策の違い

出典:https://america2go.net/wp-content/uploads

バイデン氏とトランプ氏の政策を比較し違いをまとめてみました。

①新型コロナウイルス対策について

バイデン氏

バイデン氏は経済活動再開について慎重で、再開に向けた8段階の計画を公表しました。さらに、検査・予防・治療を誰もが無料で受けられる態勢を整えることなどの提言も発表しています。

トランプ氏

4月に経済活動を段階的に再々させるための指針を発表し、経済回復に注力する方針を示しました。また、新型コロナウイルスは中国とWHOの責任だと強調し、7月にWHOからの脱退を通知しました。

②人種差別問題について

バイデン氏

黒人が経営する企業などへの手厚い支援など、人種間の経済や教育の格差をなくすための投資を幅広く行うとしています。
人種差別が残ると批判されている警察改革については、予算の削減は支持せず一定の基準を満たせば警察改革への追加資金を投入するとしています。

トランプ氏

アメリカ社会での黒人に対する差別について、「残念ながら一部では残っているが、昔に比べるとかなり少なくなってきている」と発言し、人種差別問題には否定的な考えを示しました。
警察改革については「99%の警察官は有能ですはらしい」と警察を擁護し、予算の削減や警察組織の解体に強く反対しています。

③対日政策について

バイデン氏

アジア太平洋地域においては対中政策に重きを置き、中国と対じすることだけでなく核拡散防止条約や気候変動などの分野で協力するため同盟国としての関係を重視し、日本・オーストラリア・韓国との同盟関係をさらに深めるとしています。

トランプ氏

日米安全保障条約は不公平であるとし、防衛費の負担増を求めています。

④安全保障について

バイデン氏

アメリカの国際社会での指導力を取り戻すために同盟関係を修復していく。軍事面では、トランプ大統領が中断した核軍縮を再開させるとしています。
中国に対しては、アメリカにとって特別な問題だとし厳しく対応しなければならないとしています。
北朝鮮に対しては、非核化にむけての交渉を進める必要性はあるが首脳会談はアメリカ政府が独裁者を正当化することになるため批判しています。

トランプ氏

アメリカ第一主義と掲げ、安全保障の柱には中国とロシアとの「大国間競争」を据えています。軍事面では、アメリカ軍の再建を主張し軍事予算の増額や宇宙軍の創設するとし、各国への軍事的な関与には消極的です。
北朝鮮に対しては、史上初の米朝首脳会談に踏み切りトップ同士の直接交渉で北朝鮮の非核化を迫る方針をとっています。

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⑤貿易経済について

バイデン氏

他国に高い関税をかけるトランプ大統領の手法には批判的な立場をとり、不当な価格の引き下げや為替操作などに対し断固とした措置をとるとしています。また、アメリカ製品の購入を推奨し医療関連製品などは中国に依存しないために、供給網をアメリカに戻す方針です。
経済については、企業や富裕層への増税の必要性を訴え増税分を社会保障などの財源に充てる方針を示しています。

トランプ氏

アメリカ第一主義を掲げ、中国からの鉄鋼製品などの輸入品に高い追加関税をかける手法で、貿易交渉を優位に進める方針を示しています。また、新型コロナウイルスによりマスクなどの輸入を中国に頼る現状は問題だとして、製造拠点をアメリカに戻すと訴えています。
経済については、大幅な減税をして経済の活性化を目指しています。

⑥教育問題について

バイデン氏

大学に通いやすくするために、2年制の公立大学の無償化や4年制大学についても所得に応じて無償化し学生ローンに頼らずに教育を受けられるようにし、ローンを受けた場合も無利子にする。
教師の待遇改善については、助成金にて給与アップにつなげていくとしています。

トランプ氏

連邦政府の学生ローンへの助成を縮小し、国の負担解消に重点を置いています。例えば、公的機関やNPO職員などに適応される学生ローン免除を廃止などがあります。
教師の待遇改善については、教育費の削減が基本方針だとし方針は打ち出していませんが、新設の助成金は使い道に自由度が上がるため教師への給与に充てることも可能になります。

⑦環境問題について

バイデン氏

大統領に就任したら直ちに地球温暖化対策の国際的な枠組みである「パリ協定」の離脱を撤回すると表明しています。また、2050年までに温室効果ガスの排出ゼロを目指し、気候変動に強いインフラ整備などを進める方針です。

トランプ氏

「パリ協定」からの離脱を表明しています。また、大統領に就任してから環境科学や生命科学などの研究予算の大幅な削減を打ち出し、温室効果ガスの排出規制を緩和しています。

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2020年アメリカ大統領選挙の開票結果(11月20日時点)

出典:https://stat.ameba.jp/user_images

アメリカ大統領選挙の現時点での(11月20日)での開票結果は、バイデン氏が総得票数7962万2479票・選挙人306人、トランプ氏が総得票数7365万2993票・選挙人232人です。

アメリカ大統領選挙の仕組みで説明しましたが、アメリカの選挙人は538人いるため過半数の270人以上の選挙人を獲得した候補が勝者で次期大統領となるため、選挙人306人を獲得したバイデン氏が次期大統領となります。

通常であればバイデン大統領の誕生となりますが、トランプ大統領が票の再集計を求め法廷闘争を続ける構えも示しているため、現時点ではすんなりとバイテン大統領誕生‼とはなっていません。

再集計になれば票の集計手続きをもう一度行うことになり、アメリカの州や地方選挙ではおなじみの光景ではありますが大統領選挙では2000年以来なので珍しいことです。

2000年の共和党のブッシュ氏と民主党のゴア氏の大統領選挙では、フロリダ州の一部地域での集計が問題となり投票数の差も僅差だったため再集計されました。

当初はブッシュ氏が優勢とされていましたが、再集計により票数が縮まり危機感が募ったブッシュ陣営が再集計の差し止めを求めました。

その後、連邦最高裁がこの主張を認めたためゴア氏が敗北宣言をして投票日の36日後に決着しました。

今回のアメリカ大統領選挙では、得票数の差もあることから再集計による結果が変わる可能性はないとの考えがほとんどです。

今後の日程ですが12月14日に選挙人が州ごとに投票し、1月6日に連邦議会で当選者が確定、1月20日にトランプ大統領の任期終了で次期大統領就任となります。

バイデン大統領の誕生による日本への影響は?

出典:https://media.image.infoseek.co.jp

バイテン大統領が誕生することにより日本への影響はあるのでしょうか。

まず、バイデン大統領は新型コロナウイルス対策を重視しているため経済活動を抑え気味にしていくことが予想されます。

そして、トランプ大統領はオバマ前大統領の医療保険制度や地球温暖化対策、移民政策などを否定してきましたが、それらを元に戻していくことでしょう。

トランプ大統領からバイデン大統領に変わったとしても日本国民の生活にすぐ変化が起こることは考えにくいですが、新型コロナウイルス対策に力を入れているため効果が出て感染状況が落ち着いてくれば、経済が回り出し日本の景気や雇用にもいい影響が出てくると考えられます。

日本だけでなく世界がアメリカの経済と深く関係しているので、1日でも早くアメリカの新型コロナウイルスの収束の兆しが見えることが期待されます。

また、北朝鮮拉致問題については8年間のオバマ政権時に有効な手を打たなかったこともあって、バイデン大統領では解決がさらに遠ざかってしまうのではないかとの不安の声もあります。

実際にトランプ大統領は強い姿勢を貫いて拉致問題について取り組まれていましたので、バイテン大統領になってもこのままの姿勢を引き継いでいかれることを願います。

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まとめ

出典:https://www.motleyfool.co.jp/wp-content/uploads/2019/12/GettyImages-1126726156.jpg

バイデン氏とトランプ氏の違いやバイデン大統領誕生による日本への影響などをまとめてみましたが、いかがでしたでしょうか。

開票結果によりバイデン大統領の誕生が確実となっています。

バイデン氏とトランプ氏にはさまざまな政策の違いがありますが、バイデン氏は新型コロナウイルス対策に力を入れているので今後の変化が期待されます。

最後まで読んで頂きありがとうございました。

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