たびたび起こる偽装事件を把握していますか?

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先日も雪印メグミルク子会社である雪印種苗が、計51品種で商品名の偽装や表示違反を行なっていたことが明らかになったことがニュースになりましたが、実は今までも何度となく発生している「偽装問題」。

しかしいつの間にか忘れ去られて「そんなこともあった」程度になっている事件も少なくありません。

たとえば今では「プライスロック」というキーワードとともに、低価格で安定した供給をしてくれるとして人気が定着しつつあるスーパーマーケットの西友ですが、2002年には一部店舗において産地偽装事件が発生したことは、皆さん覚えていますでしょうか?

今回はその2002年に発生した西友偽装肉返金事件について、皆さんにご説明してまいります。

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西友偽装肉返金事件とは

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2002年、この年は雪印食品や日本ハムといった食品メーカーにおいて、2001年ごろから次々と牛肉偽装事件が発覚し、大きな社会問題となっていた頃でした。

その中で、大手スーパーマーケットである西友においても、この牛肉偽装事件が発覚したのです。

事の発端は埼玉県狭山市にある西友狭山市駅前店において、アメリカ産やカナダ産の牛肉、豚肉を国産と偽って販売していたことが9月に赴任した畜産マネジャーによって発見されたことでした。

その後ほかの店舗も調べてみたところ、北海道札幌市東区にある元町店(現在の元町北24条店)でも同様の偽装が見られ、このため西友側はお詫びとして販売した牛肉や豚肉について、返金対応をすると発表しました。

しかし上記の偽装期間が調べてみると1年間ほど続いていたことや、スーパーマーケットなどで商品を購入した際のレシートや領収書を保管しているお客様が多くないことから、レシートなどの証明するものの提示が困難だと判断し、異例にもレシートや領収書なしでも自己申告制で返金対応を行うという方針を打ち出しました。

これで終わらなかった西友偽装肉返金事件

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西友側は同年9月18日から狭山市駅前店で、9月27日からは札幌市東区元町店でも返金対応を開始したのですが、当初は主婦の方などが返金を求めて来店していたものの、次第に噂を聞きつけた若者や暴力団関係者(のちにDQN客などと表現されました)が店に殺到して返金を求めるようになるという事態に陥りました。

そしてそれでは終わらず、翌日の28日には1日の売上げをはるかに超える金額を要求するDQN客が現れたため、示談によって金額を支払うという結果になります。

それ以降の返金希望者には一律その金額が支払われるようになり、返金額はさらに増えていきました。

すると29日には返金額が5,000万円以上と、年間販売額の3倍以上になったため、ついに西友側は返金を打ち切り、特売による還元に転換することを発表しました。

その後も、西友側が臨時休業とした日にも若者ら数百人が終結して大混乱となり、警備員に暴行したとして19歳の男2人が現行犯逮捕される事件も発生しました。

これらの一連の流れから、ようやく西友側は北海道警察へ出動を要請し、道警は今回の返金騒動で暴力団が関与していたとし捜査を進めていく中で、10月4日に道内の暴力団関係者を恐喝未遂で逮捕しました。

DQN客とは?

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こういった事件などが発生するようになってから、「DQN客」という言葉がよく使われるようになりました。

しかし皆さんは、そもそもこのDQN客という言葉について、正しく理解されているでしょうか。

そこで少しDQN客についてご説明したいと思います。

DQN客とは、軽率そうな人や実際にそうである人、粗暴そうな風貌をしている者や実際に粗暴な者、かつ非常識で知識や知能が乏しい人を指す、一般的なインターネットスラングであると言われています。

この「DQN客」は侮辱語とも呼ばれ、良い意味で使われることはありません。

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このような事態になった真相

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しかし振り返ってみると、西友偽装肉返金事件は、その肉産地偽装自体も問題でありながら、その後の返金対応において事態が大きく悪化し、収拾がつかないほどの大事件に発展したと言えるでしょう。それはどうしてなのでしょうか。

その後の調べでは、北海道札幌市東区にある元町店に来たとされる者の多くが、明らかに札幌の人間とは違う訛りや風貌であり、札幌以外のナンバーの車が多く押し寄せたとも言われています。

それに加えて、その後の報道でワゴン車にすし詰め状態で札幌にやってきたと証言する者が多数いたことが報道されたことなどから、実際には西友元町店で問題とされる肉を購入していないにもかかわらず、札幌以外からわざわざ返金処理目当てでやってきた者が多くいたということが浮き彫りになりました。

また一説には、地元メディアでは当てもなく北海道の地方からやってきて、すすきのでたむろしている若者を暴力団関係者が雇い、返金請求に行かせたことが騒動の原因ではないかとも報じていました。

実際、西友側がその後、購入を証明するものを持参した人のみの返金する方針に切り替えたところ、少数の主婦がレシートを持って返金を求めたに留まり、若者が返金を求めることはなかったという点でも、上記の説が事実であったということを裏付けているように感じます。

偽装事件で浮き彫りとなったモラル

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肉産地を偽るという偽装事件は大変な問題ではありますが、この西友偽装肉返金事件を通してもう一つ大きく浮き彫りとなったこと、それは何かあった時にそれを受け取る側(人間)のモラルが問われるということです。

もちろん当然ながら、該当の肉を購入した者がその後店側に返金を求める、というのは何の問題もありませんし通常の行動です。

しかしながら、店側の最大限のお詫びの気持ちと配慮で「レシートや領収書なしでも自己申告制で返金対応を行う」とした対応を逆手にとって、購入してもいないのに返金対応を求めて押し寄せるというのは、まったくのお門違いでありモラルを欠いた行動です。

こうした事件を逆手にとって便乗する行為をする人間が多数いたということについては、偽装事件とはまた別の観点で問題視しなくてはいけないのではないでしょうか。

ほかにもある偽装事件

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それでは今回調べていくうちに、その他にも数々の偽装事件があったことが分かりましたので、あわせてご紹介いたします。

1931年 C&Bカレー粉事件 英国C&B社の純正カレー粉に国産カレー粉が混入、あるいは完全に擦り替えられていた
2001年 牛肉偽装事件 複数の食肉卸売業者が輸入牛肉を国産牛肉と偽って国に買い取りを要請し、補助金を詐取した
2003年 飛騨牛偽装事件 岐阜県養老町の丸明が肉質などの偽装表示を行っていた
2007年 ミートホープ事件 ミートホープによる豚肉・鶏肉等の混入挽肉販売
  船場吉兆事件 船場吉兆による産地偽装や賞味期限偽装
  石屋製菓事件 石屋製菓による「白い恋人」の賞味期限偽装
  赤福餅の消費期限偽装  赤福餅による消費期限偽装
2008年 事故米食用偽装転売 三笠フーズ・浅井・太田産業による事故米食用偽装転売
2013年 大吟醸酒原材料偽装 浪花酒造による大吟醸酒原材料偽装
  馬肉混入問題 イギリスやアイルランドで牛肉を使用していると謳った食品に馬肉が混入していた
  虚偽表示・偽装表示事件 大手ホテル・百貨店レストラン等のメニュー表示にて産地や食材の種類に関する虚偽表示・偽装表示が相次いで発覚
2014年 松阪牛メニュー偽装 木曽路による松阪牛メニュー偽装
2016年 不正転売事件 産業廃棄物処理業者による不正転売事件

 

これだけ多くの偽装事件が発生したと考えてみると、改めて衝撃が走ります。

まとめ

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いかがでしたでしょうか。今回は2002年に発生した西友偽装肉返金事件についてクローズアップしてお届けいたしましたが、実は私たちの身の回りではこれだけ多くの食品などの偽装事件が発生しているのです。

そこで私たちが考えなくてはいけないこととは、自分たちの身体や安全を守るためには、最終的には自分で自分を守るしかないということです。

私たちは日々、過剰なまでの広告やキャッチーなテレビコマーシャル、インターネットなどから常に情報を受け取っており、情報に晒されています。そうすることで、自然と情報操作されて自分で考えて判断をせずに目の前の情報だけを判断材料にして、判断しがちであったりします。

しかし本当に自分たちの身体や安全を守りたいと考えるならば、たとえば外出先でファーストフードを購入したり、外食する際でも、自分の目で見て自分で考え、慎重に判断していかなければいけないのではないでしょうか。

そのためには自分に正しい知識や情報がなくてはいけませんので、日頃から触れる情報は自分で判断して正しいのか考えることや、知識を吸収する姿勢を持つことが重要と言えるでしょう。

ぜひ今回の記事が皆さんにとって有益な情報となっていれば幸いです。

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最後まで読んでいただきありがとうございました。