2020年3月11日、WHOは世界中で猛威を振るっている新型コロナウイルス感染症を「パンデミック」とみなせると表明しました。

日本でも大規模イベントの自粛や小中高校の臨時休校などがあり、今後どうなっていくのか大きな不安を感じている人が多いと思います。

みなさんは、今回のような世界的な大流行とされるパンデミックは過去にもあったことをご存知でしょうか。

今回は、これまで新型の感染症にどうやって立ち向かっていったのかを知るため、過去に世界的に大流行となった感染症についてまとめてみました。

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感染症とは

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新型コロナウイルスで注目されている感染症についてわかりやすくまとめてみました。

まず、感染症とは病気を起こす原因となる病原体が体内に侵入しその後に症状が出る病気のことです。

病原体と言っても一つだけでなく細菌・ウイルス・真菌(カビ)・寄生虫などがあります。

感染症は病原体が人間の体内に侵入・定着・増殖することで発症しますが、症状が現れる場合とはっきりとした症状が現れない場合があります。

このようなはっきりとした症状が現れない場合は知らぬ間に感染を拡げてしまう可能性があり、新型コロナウイルスでも大きな問題となっています。

日常生活においての感染経路は①接触感染、②飛沫感染、③空気感染、④経口感染の4つに分けられます。

①接触感染

接触感染とは、皮膚や粘膜の直接的な接触や手すり・ドアノブ・タオル・便座・スイッチなどのような多くの人が触れるものを介して間接的に接触することで病原体が付着し感染するものです。接触感染による代表的な感染症にはノロウイルスによる急性胃腸炎・流行性結膜炎・風しん・ヘルペスなどがあります。

②飛沫感染

飛沫感染とは、ウイルスや細菌がせきやくしゃみなどにより空気中に飛び出して約1mの範囲で人に感染させるものです。飛沫感染による代表的な感染症には風邪・インフルエンザ・ジフテリアなどがあります。

③空気感染

空気感染とは、ウイルスや細菌が空気中に飛び出して1m以上離れている人に感染させるものです。空気感染による代表的な感染症には水ぼうそう・麻しん・結核などがあります。

④経口感染

経口感染とは、ウイルスや細菌に汚染された食べ物を生や不十分な加熱の状態で食べた場合や、感染している人が調理中に手などで食品を汚染してしまいそれを食べたり飲んだりした場合に感染させるものです。経口感染による代表的な感染症にはノロウイルスやロタウイルスなどがあります。

現在、新型コロナウイルスに注目が集まっていますが風邪・食中毒・水虫・ものもらいなどの身近なものも感染症です。

なお、新型コロナウイルスについては現時点で飛沫感染と接触感染の2つの感染経路が考えられています。

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過去に世界的大流行となった感染症

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現在、WHOが新型コロナウイルスはパンデミック(世界的大流行)とみなせると表明し大きな注目を集めていますが、過去にも世界的大流行により大きな影響を及ぼした感染症がありました。

現在までにパンデミックとされた感染症には、インフルエンザ・天然痘・AIDS・ペスト・梅毒・コレラ・結核・発疹チフス・マラリアなどがあります。

その中でも最悪のパンデミックとされているのが、1918年~1919年に大流行したスペイン風邪です。

今回は、20世紀最悪とされているスペイン風邪についてウイルスの発症から終息までをまとめてみました。

スペイン風邪とは

スペイン風邪とは記録に残されているものの中で最初にパンデミックとされたインフルエンザで、世界での感染者は約5億人以上・死者が約5,000万~1億人以上とも言われています。

日本では当時の人口が約5,500万人に対して死者が約39万人で、アメリカでも50万人が死亡するなど短期間で最も多くの死者を出した感染症として記録的なものとなっています。

スペイン風邪の発生は1918年3月にアメリカのカンザス州にあるファンストン陸軍基地の兵営だとされています。

発生当時は第一次世界大戦の最中でアメリカが大規模な派遣軍をヨーロッパに送ることとなり、アメリカ軍と共にスペイン風邪も大西洋を渡り5月~6月にヨーロッパで流行しました。

スペイン風邪の名前の由来は、第一次世界大戦に参加していなかったスペインでは報道が自由だったためスペイン王室の罹患者を大々的に報道しており、パンデミックの発信源がスペインということになってしまったためです。

日本でのスペイン風邪の流行は2回あり、1回目の流行は1918年8月下旬から9月上旬に始まり10月上旬には日本全国に蔓延した後、その後急速に拡大し11月には患者数・死者数が最大に達しました。

2回目の流行は1919年10月下旬から始まり、1920年1月末にピークとなりました。

当時はまだウイルスを観測できる電子顕微鏡が開発されておらず、実際にスペイン風邪のウイルスの分離に成功したのは流行から15年が過ぎた1935年のことでした。

そのため、当時はスペイン風邪の原因を特定することは不可能なことで、医師や研究者たちはウイルスではなく細菌が原因だと考えていたのです。

そんな状況の中で、当時の政府や自治体のスペイン風邪への対応は一体どのようなものだったのでしょうか。

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スペイン風邪への政府の対応

政府の対応はどうだったのか調べてみると、1919年1月に内務省の衛生局が一般向けにスペイン風邪の流行と対処方法発表しました。

予防法としては、病人や病人だと思われる人、咳をしている人に近寄らない。たくさん人の集まっている場所に行かない。人の多く集まる電車ないなどではマスクをつけるか鼻や口をハンカチなどで覆うことなどでした。

発症してしまった場合は、すぐに医師を呼ぶこと。病人の部屋を別にして看護する人はその部屋に入らないこと。自分で判断せずに医師の指示があるまでは外にでないことなどでした。

いかがでしょうか。

多少の違いはあるかもしれませんが新型コロナウイルスへの政府の対応とあまり変わらない認識であることがわかります。

この他にも、各地でスペイン風邪に対する講話会を開いたりマスクを推奨するポスターを全国へ配布するなどしました。

新型コロナウイルスの発症によりマスク不足が深刻な問題となっていますが、実はマスクが感染症の予防品として注目を集めるようになったのはスペイン風邪が大流行したことがきっかけで、当時は主に粉じんよけに利用されていたマスクが徐々に改良されていきました。

スペイン風邪への対応としてマスクの無料配布も行われたようですが、新型コロナウイルスと同じようにマスクの生産が追い付かなくなってしまったようです。

また、予防策として開発した予防薬を注射させる方針を取りましたが病原体がウイルスではなく細菌だと考えていた状態でのことだったため、後から考えれば全く無意味なことでした。

スペイン風邪への自治体の対応

各自治体の対応はどうだったのか調べてみると、被害が甚大だった地域では市内の幼稚園・小学校・中学校の全面休校としたり、内務省の衛生局が一般向けに発表した対処方法を県としても公表するなどの対応をしました。

それにより、各地での集まりや興行などが次から次へと中止となっていきました。これらの対応も新型コロナウイルスへの自治体の対応とよく似ていることがわかります。

デマが流れる

現在の日本では新型コロナウイルスへの根拠のないデマ(お湯を飲むと良い・納豆が効果的・トイレットペーパー品薄など)が流れ国民が混乱してしまっていますが、当時も「厄除けの札を貼るとよい」、「ネズミを焼いて粉末にしたものを飲むとよい」などの神頼み的なデマが流れていたようです。

緊急事態になるとデマを信じてしまう気持ちはわかりますが、自分で情報を見極める力も大切だと感じます。

スペイン風邪の終息

日本中で猛威を振るったスペイン風邪は1920年が過ぎると自然に鎮静化していきました。

どのように終息していったのかというと、感染者が死亡するか感染者に免疫がつきこれ以上感染する限界に達してしまったからです。

犠牲者の多くが若くて健康な成人でしたがその原因としては、高齢の人はスペイン風邪に似たインフルエンザウイルスを子どもの頃に経験し免疫があり若い人はまだ免疫がなかったことが有力だとされています。

スペイン風邪は最初に医師や看護師の多くが感染してしまい医療体制の崩壊が起きてしまいました。

その教訓として、2009年に新型インフルエンザが流行した際には医療従事者にインフルエンザワクチンを優先して接種する対策が取られました。

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新型コロナウイルスの感染症対策まとめ

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現在、世界中で猛威を振るっている新型コロナウイルスに感染しないようにするために一人一人ができる感染症対策についてまとめてみました。

新型コロナウイルスは現時点で飛沫感染と接触感染の2つの感染経路が考えられています。

感染症を予防するためには、感染経路を遮断することが簡単にできる重要な対策です!

①手洗い&うがい

基本的なことですが、手洗い・うがいは接触感染が感染経路とされている新型コロナウイルスへの対策としてとても重要です。

外出をした際にドアノブや電車のつり革などから自分の手にウイルスが付着している可能性も大いに考えられます。

外出先から帰宅した時・調理する前後・食事をする前などこまめに手洗いうがいをすることを心がけましょう。

②健康管理

自身の体の免疫力を高めておくことが大切です。バランスの取れた食事や十分な睡眠を普段から心がけましょう。

③湿度管理

空気が乾燥しているとのどの粘膜の防御機能が低下してしまうようです。防御機能が低下してしまうとウイルス感染のリスクが高まるため、50%~60%程度の湿度を保つことを心がけましょう。

④マスクの着用

マスクには咳やくしゃみによる飛沫感染やウイルスなどの病原体を防ぐ効果があります。

自分の予防をするだけでなく、感染症を他の人にうつさないようにするために咳・くしゃみをする時にはマスク・ハンカチ・ティッシュなどで口や鼻を覆うことが大切です。

とっさの咳・くしゃみには他の人から顔をそらして服の袖や肘で口や鼻を覆い咳エチケットに心がけましょう。

現在、マスク不足が深刻で手元にない人も多いかと思いますが、ガーゼやキッチンペーパーを利用して手作りする方法もネット上にたくさんアップされていますので、マスク不足が解消するまでの対策としておすすめです。

④3つの密を避けて行動する

新型コロナウイルスの集団(クラスター)発生防止には3つの密を避けて行動することが大切です。

3つの密とは①換気の悪い密閉空間・②多数が集まる密集場所・③間近で会話や発生をする密接場面です。

これら3つの密がそろうと集団感染のリスクが高まるため3つの密を避けて行動しましょう。

 

もしかして新型コロナウイルスに感染したのでは⁉と不安になった時には

風邪のような症状がある場合には無理をせずに学校や会社を休み外出を控え、発熱が見られたら毎日の体温を測定し記録をしましょう。

そして、以下のような症状がある場合には「帰国者・接触者相談センター」に相談してから病院を受診しましょう。

①風邪の症状や37.5℃以上の発熱が4日以上続いている場合。※解熱剤を飲み続けなければならない状態を含む。

②つよいだるさ(倦怠感)や息苦しさ(呼吸困難)がある場合。

なお、高齢者や基礎疾患等(糖尿病・心不全・呼吸器疾患など)のある人は①や②の状態が2日程度続いたら「帰国者・接触者相談センター」に相談してください。

まとめ

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感染症についてや過去に世界的大流行になった感染症についてまとめてみましたが、いかがでしたでしょうか。

記録に残されているものの中で最初にパンデミックとされたインフルエンザであるスペイン風邪は多くの犠牲者を出してしましましたが、当時の政府や自治体の対応は新型コロナウイルスへの対応と似ているものでした。

2020東京オリンピックの延期も決定し今後の新型コロナウイルスの流行がどうなっていくのかとても心配ですが、無事に終息することを願うばかりです。

必要以上に恐れて間違った情報を信じることのないように、正しい情報を見極めて行動していきたいですね。

最後まで読んで頂き、ありがとうございました。

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