新型コロナウイルスの感染拡大が大手企業の業績に大きな影響を与えています。
2020年3月決算の上場企業のおよそ半数は減益となる異例の事態となり、感染拡大の収束がいつになるのか予測ができないためこの先1年間の業績見通しを未定としている企業も多いです。
新型コロナウイルスの経済への影響はどれほどのものなのでしょうか。
今回は、新型コロナウイルスの影響により業績を下げている業界と業績を上げている業界をまとめてみました。
新型コロナウイルスの影響により業績を下げている業界
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新型コロナウイルスの影響により業績を下げている業種をまとめてみました。
ホテル業界
新型コロナウイルスの感染拡大で海外からの旅行者も減り数多くの予約のキャンセルや、2020年東京オリンピックも延期されたことによりホテル業界は大きな影響を受けています。
ホテルや旅館などの宿泊施設は売り上げがゼロでも多額の固定資産税や電気料金などの固定費が発生するため、すでに3月末から4月にかけてホテルの倒産や休館が急増しています。
全日本ホテル連盟はこのまま夏まで感染拡大が続いてしまえば、年内に多くのホテルが倒産すると予測しています。
飲食業界
新型コロナウイルスの感染拡大で政府が外出自粛要請を出したことにより、飲食店を利用する客数が激減し飲食業界は大きな影響を受けています。
多くの飲食店はホテル業界と同様に売り上げがゼロでも家賃などの固定費が発生します。
この対策として、新しくテイクアウトやデリバリーを導入するお店も増えこの異例の事態を乗り越えようとしていますが、すべての飲食店が導入し対応できるわけではありません。
航空業界
新型コロナウイルスの感染拡大で日本への入国制限も厳しくなり、国際線が減便や運休となり航空業界は大きな影響を受けています。
全日空や日本航空は4月の国際線は9割の減便で5月も同様の対応をするとのことで、大きく業績を下げる見込みとなっています。
エンタメ・音楽・イベント業界
新型コロナウイルスの感染拡大でドラマの収録中止やバラエティもロケを中止し出演者を減らし、国内外で予定されていたさまざまなイベントも中止となり資金繰りや雇用維持に大きな影響を与えています。
芸能界ではテレビ番組の収録休止により仕事がなくなり一般人と同様に外出自粛の日々を送り、ツイッターやインスタライブなどネット上で発信する芸能人が急増しました。
スポーツ業界
新型コロナウイルスの感染拡大により多くのスポーツイベントが中止や延期、無観客での開催となったり大きな影響を受けています。
さらに、2020年東京オリンピックの延期も決定され選手たちへの影響は計り知れません。
プロ野球を統括する日本野球機構は12球団の代表会議にて今季は開幕したとしても当面は無観客で行うことを確認し、収益よりも明るい話題提供を優先するとしました。
また、サッカー、テニスなども多くの主要大会が軒並み延期や中止を決定しました。
相撲協会では春場所を無観客開催にし約10億円の利益が消失しましたが夏場所の中止が決定されさらに15億円もの減収が見込まれています。
新型コロナウイルスの影響により業績を上げている業界
新型コロナウイルスの影響により業績が上がっている業種もあるのでまとめてみました。
在宅ワークに関連する業界
外出自粛により在宅ワークを強く推奨しているため、手軽に利用できるオンラインビデオ会議サービスの「Z00m」は株価も急上昇し業績が上がり1,000万人だったユーザーが数か月でなんと2億人になりました。
オンライン通話が可能なソフトは他にもありますが、Z00mはアドレスを送るだけで簡単にビデオチャットができるため世界中で利用者が増加しました。
最近ではZ00mを利用した「Z00m飲み」なども流行しており、家族が居ても参加できて移動の時間がないため終電を気にする必要もないと評判もいいです。
Z00mは手軽に利用できる反面セキュリティの問題が指摘されるようになりましたが、迅速な対応でセキュリティ対策を強化しているため株価にも影響は出ていないようです。
ネットスーパー業界
外出自粛中でもスーパーやドラックストアなどは通常通り営業していますが、できることなら外出をしないで食料品などの買い物を済ませるためにネットスーパー業界の業績が上がっています。
これまでネットスーパーは商品を手に取って確認できないことや宅配時間のことなどのデメリットが先に挙げられていましたが、新型コロナウイルスの影響で利便性が高く評価され需要が急上昇しました。
しかし、多くのネットスーパーで需要が急上昇したことで欠品や数量制限、配送遅れなどが発生しており、需要と供給のバランスが取れていない状況です。
フードデリバリー業界
フードデリバリー業界は2019年10月の消費税増税の際にも注目を集めましたが、新型コロナウイルスの影響で自宅で食事をする人が増えさらに業績をあげています。
その中でも、フードデリバリーアプリの「Uber Eats」は利用者数の前年同月比が191.7%の大幅な増加となり存在感を示しています。
ゲーム業界
外出自粛で長いお家時間の余暇を充実させるためにゲームの需要が急上昇しました。
特に、任天堂の主力ゲーム機となっている「任天堂スイッチ」は2020年3月の国内販売台数が前年同月比と比べ2.8倍にまで拡大し、必要な部品が確保できなくなり国内の出荷を一時停止する事態となりました。
この事態に、今までゲームのやり過ぎに警鐘を鳴らしてきたWHOは室内でゲームをプレイすることを推奨する動きもみられました。
まとめ
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新型コロナウイルスの影響により業績を下げている業界と業績を上げている業界をまとめてみましたが、いかがでしたでしょうか。
多くの業界が影響を受け業績を下げていることが分かりましたが、その中でも対策を考え新しい取り組みを始めている企業もありました。
新型コロナウイルスの収束の見通しは立っていませんが、一日でも早く収束することを願っています。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。