すっかり節分の風物詩となっている「恵方巻」ですが、節分が近づきスーパーやコンビニなどで予約案内などを目にするようになってきましたね~!
2019年も恵方巻商戦が本格化してきましたが、近年は売れ残った恵方巻の大量破棄問題が深刻になっています。
そこで、農林水産省が「需要に見合った販売をするように」と違例の呼び掛けをする事態に!
これは、恵方巻破棄問題について考える必要がありますね。
そこで今回は、恵方巻破棄問題についての原因や対策などについてまとめてみました!
恵方巻きとは
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それではまず、恵方巻について簡単におさらいしておきたいと思います。
恵方巻とは、節分に恵方を向いて無言でたべると縁起が良いとされている巻き寿司のことです。
恵方巻は、1989年にコンビニ大手のセブンイレブンが「関西では節分に太巻き寿司を食べる習慣がある」と知り売り出したことで、1998年頃から全国へと広がり2000年代以降に急速に広まっていきました。
恵方巻と聞くと長い海苔巻きを想像する方が多いと思いますが、他にも人気キャラクターがデザインされた卵焼きのオムライスを恵方巻にしたものや、ロールケーキタイプのものまで種類は豊富にあります。
そして、2019年の恵方は「東北東」です!
東北東を見ながら無言で黙々と恵方巻を食べれば、福が舞い込んでくるかもしれませんよ~!
日本での1年間の食品廃棄物量は?
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2018年4月、農林水産省と環境省が平成27年度の食品廃棄物等の推計結果を公表しました。
その結果、食品廃棄物は約2,842万トン、食品ロスは約646万トンであると推計されました。
食品ロスとは、本来であればまだ食べられるものを賞味期限や型くずれなどを理由として廃棄してしまうことです。
そして、飲食店や一般家庭で食べ残して破棄されたものも食品ロスに含まれます。
食品ロスの約646万トンを一人あたりに換算すると、毎日ごはん1杯分を無駄にしている計算になります。
これを世界規模で見てみると、廃棄されている食品はなんと13億トン!
もはや膨大すぎて想像もできませんが、これは全世界の約3分の1の食品が廃棄されていることになります。
食品廃棄物を受け入れて養豚の餌にリサイクルしている日本フードエコロジーセンターという施設があるのですが、そこでは1日に約35トンの食品廃棄物を受け入れています。
節分の直後にはこれに加え、大量の恵方巻とそれに使用する予定だった大量の具材が運ばれてくるわけです。
恵方巻廃棄問題の原因
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恵方巻破棄問題の原因について、詳しくまとめてみました!
原因その①工業生産やサンプル作りで大量廃棄!
恵方巻の製造方法としては、手作業で手巻きしているものと、生産拠点で大量に工業生産されるものがあります。
破棄問題の大部分は、コンビニなどに向けて大量に工業生産される恵方巻が問題となっています。
スーパーでは、恵方巻を店内製造している店舗が多いと思いますが、店内製造であればもしも突然大雪が降り客足が鈍くなりそうな事態となっても、当日の生産量を簡単に減らすことができますよね。
食品廃棄量を減らすには、店内製造が大きな強みとなっています。
恵方巻だけでなく、その他の食品も工業生産する場合は1回に膨大な量の商品が出来上がるため、これが大量破棄問題につながっています。
また、食品メーカーがスーパーやコンビニなどで商品を販売してもらうための商談では、新商品のサンプルも持ち込みます。
そして、全国で新商品発表会や食品展示会なども行われていますが、そこでは試食やサンプルも配られ余ったものは廃棄するのが現状です。
恵方巻は節分に全国で一斉販売されますので、そのサンプルや失敗作として廃棄される量は膨大なものとなっています。
さらに、多くの商品企業は製造される食品の検査を毎日行っています。
その方法は、製造ラインから製品の一部を使用して検査を行うのですが、残ったものは廃棄することが多いそうです。
恵方巻は全国展開されていますので、この廃棄量も少なくないことは明らかですね。
原因その②賞味期限や消費期限よりも手前で廃棄!
これは恵方巻だけでなく他の食品廃棄に関しても言えることですが、食品流通業界には「3分の1ルール」というものがあります。
3分の1ルールとは、食品の製造日から賞味期限までを3つの期間に均等に分けます。
①製造日から3分の1まで…納品期限
②賞味期限の3分の2まで…販売期限
③販売期限以降…撤去
例として賞味期限が6ヶ月の商品を3分の1ルールにあてはめてみると、製造日から2ヶ月以内が納品期限、製造日から4ヶ月以内が販売期限、納品期限や販売期限を過ぎた商品は撤去されます。
撤去になればそのまま廃棄することになりますので、賞味期限の2ヶ月も前に廃棄されるわけです。
このように、3分の1ルールではまだまだ食べられる商品が破棄されてしまうのです!
なお、恵方巻は節分の商品ですので節分が終われば、期限が大丈夫だとしても販売は強制終了です。
日持ちする飲食品であればメーカーに返品できることもあるようですが、恵方巻は棚から撤去されれば廃棄されることになります。
そして3分の1ルールにより賞味期限が短い商品は、製造日から納品期限までに間に合わずに姿を見ることがないまま廃棄されてしまうことも珍しくないそうです!
さらに、前日に納品した商品よりも当日納品した商品の賞味期限が1日でも古ければ納品することはできません。
これは賞味期限がたとえ1年以上あっても同様です。
このようにして、恵方巻に限られた話ではないのですが消費者の目に見えない所でも食品廃棄が行われているのです。
3分の1ルールについては、2012年から農林水産省の流通経済研究所と食品業界で編成された「食品ロス削減のための商慣習検討ワーキングチーム」がその緩和に向けて動いています。
原因その③厳しい売り上げ目標で品揃え不足よりも廃棄するほうがマシ!という感覚
恵方巻破棄問題の原因として、店側の発注ミスではなく本部からの厳しい売り上げ目標が原因との声も多いです。
この話を目にした時になるほどなぁ~と納得してしまったのですが、食品問題評論家の先生によると食品流通業界では、廃棄よりも品揃え不足で売り上げを逃すチャンスロスを警戒しているそうなんです。
それには厳しい売り上げ目標が絡んでくるわけですね。
恵方巻販売ノルマをオーナーが従業員に強要するケースは少ないものではなく、社員だけでなくアルバイトにも販売ノルマが課せられたケースもあります。
消費者の立場から考えても品揃えが良い方が嬉しいですし、品揃えが悪いと他のお店に行ってみようかなと思う人が多いのではないでしょうか。
このような消費者側の立場も考えると、販売者側は少しでも多く販売したいわけですから、顧客が離れてしまうなら余って廃棄する方がマシ!という感覚になり、恵方巻破棄問題につながるわけですね。
売れ残った恵方巻を従業員が買い取る問題
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恵方巻破棄問題について説明しましたが、売れ残った恵方巻を従業員が買い取り問題になったことをご存知でしょうか。
2016年2月3日夜のTwitterには「異常な量の恵方巻がまだ残っている」「恵方巻26万円分の廃棄」「恵方巻100個以上捨てる」など、悲痛なツイートが相次ぎ問題になりました。
恵方巻が大量に売れ残り、廃棄している様子がわかりますよね。
さらには、「恵方巻販売ノルマが達成できなかったから、恵方巻買わされた」「恵方巻のノルマが達成できずに困った」などのツイートまで!
労働組合によると、このようなツイートのように大量に売れ残った恵方巻を従業員が買い取りの強要をされたという相談が数年前から徐々に増えているそうです。
このような売れ残った恵方巻の買い取り問題は、SNSや報道などで問題視されたためノルマの強要は減ったと言われています。
しかし、なかには恵方巻販売終了後オーナーに会費5,000円のパーティーに招待させられ行ってみたら、テーブルに恵方巻が並んでいたという話も…。
これは巧妙ですね。買い取りしてると同じですよね…。(苦笑)
恵方巻廃棄問題の対策
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2019年1月、農林水産省は近年の恵方巻破棄問題を深刻に受け止め、対策としてスーパーやコンビニなどの7つの業界団体に対し「需要に見合った販売をするように」と初めて文書で通知しました。
その文書の中には、2018年に恵方巻の大量生産をやめる方針への理解を消費者にチラシで呼びかけ、廃棄量を見事に削減した兵庫県のスーパーの事例も紹介されていました。
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恵方巻破棄問題対策について、農林水産省がこのような文書を出すのは初めてです!
とうとう国が動き出す事態にまでなってしまいましたが、これで厳しいノルマは緩和されると思いますので、販売する従業員の方たちもほっと一安心しているのではないでしょうか。
食品廃棄問題は世界でも深刻な問題になっていますが、海外では既に地域団体や行政などによりさまざまな対策がとられています!
そこで、恵方巻破棄問題に参考になりそうな海外で実視されている食品ロス対策をまとめてみました!
海外で実施されている食品ロス対策
①フランス・罰金徴収
フランスでは、2016年2月から「食品廃棄禁止法」が施行されました。
これは、大型スーパーマーケットが売れ残りや賞味期限切れの食品廃棄を禁止し、廃棄量ごとに罰金が徴収される法案です。
そして、余った食品はボランティア団体で寄付することが義務になっています。
②デンマーク・賞味期限切れ食品専門スーパー
デンマークでは、賞味期限切れや包装に傷や汚れのある食品専門スーパーがあります。
このスーパーは、ボランティア団体が運営しており、最大で半額の料金で販売されているそうです。
③スペイン・連帯冷蔵庫の設置
スペインには、地域共有の「連帯冷蔵庫」と呼ばれる大型冷蔵庫が設置されています。
この連帯冷蔵庫は、飲食店や一般家庭の残った食品や賞味期限が間近に迫った食品を入れ、貧困者の手に渡るようにした冷蔵庫です。
冷蔵庫の中身はボランティア団体がチェックをして管理をしています。
とても画期的なアイディアですよね~!
私が考える恵方巻破棄問題の対策
海外では食品ロスに対してすでにさまざまな対策を取っていることがわかりました。
今回のテーマである恵方巻破棄問題についての私が考えた対策をまとめてみました!
①フードシェアアプリをさらに広める
食品ロスを減らすために、フードシェアアプリというものがあるのをご存知でしょうか。
その代表的なものの1つに、TABETE(タベテ)というアプリがあります。
このアプリは、飲食店や小売店などで発生した余った食品とユーザーをマッチングして、最後まで売り食べてもらうことを応援するものです。
店側は本来であれば廃棄予定の食品を、任意価格と取引期限を設けて販売することができます。
ユーザー側は欲しい食品をweb決済で簡単に納入額することが可能で、取引期限までに店舗に受け取りにいきます。
まだまだこのようなアプリは浸透していませんが、普及すれば恵方巻の廃棄を少なくすることができるのではないかと思います。
②恵方巻破棄に罰金徴収
政府を巻き込むまでの問題になっている以上、罰金徴収もやむを得ないと考えます。
例えば、もともと食品を廃棄するのにはお金がかかると思うのですが、節分の恵方巻販売時期は2倍~3倍料金を徴収するなど。
破棄に多額の金額がかかれば売り上げを出しても意味がないため、大量破棄にはならないと思います。
③恵方巻は自宅で手作りを!
恵方巻を手作りするのに必要なキット(1回購入すれば何年も利用可能なもの)を格安(ここが大事)で販売し、キットを買ってくれた人には具材購入に使用できる割引券などの特典を付ければ、徐々に広まっていくのではないでしょうか。
手作りは環境により不可能な場合もあるかと思いますが、特に小さなお子さんがいる家庭では楽しみながら一緒に作ることができるのではないでしょうか。
これらはあくまでの私の考えた対策ですが…多くの人が食品廃棄について考えていけば少しずつ減らしていけると思います。
まとめ
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恵方巻破棄問題についてのまとめはいかがでしたでしょうか。
世界的に深刻な食品ロスですが、海外では既にさまざまな対策をしていますが、日本は食品流通業界にある「3分の1ルール」が邪魔をして対策が進んでいないと思います。
まずは、3分の1ルールの緩和が一番大切なのかもしれませんね。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました!
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