2019年9月9日には千葉県に令和元年台風第15号が、10月12日から13日にかけては台風第19号が東日本に上陸し記録的な大雨をもたらし大規模な被害が発生してしまいました。
被害が発生した各地では洪水や土砂崩れ、河川の決壊や交通にも大きな影響が出ました。
さらに、10月25日には千葉県を中心に再び猛烈な雨が…。
被害のさらなる拡大が予想されます。
そして、2019年10月の関東地方の降水量は平年の約400%なんだとか!
最近の気象は一体どうなってしまっているのかと思わずにいられません。
台風第15号と台風第19号の被害はとても大規模なものでしたが、過去にはこれ以上の被害をもたらした台風もありました。
そこで今回は、千葉県を中心に大規模な被害をもたらした台風第15号と台風第19号の被害振り返り、過去に日本に上陸した台風による被害の大きさをランキング形式でまとめてみました。
令和元年に大規模被害!台風15号・台風19号まとめ
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令和元年台風第15号
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令和元年台風第15号は、9月9日未明に東京湾を北上しながら午前5時前に千葉県付近に上陸して午前8時頃には茨城県沖に抜けていきました。
台風第15号は関東に上陸した台風では最強クラスとされ、記録的な暴風や非常に激しい雨による被害が多発しました。
首都圏では屋根が飛散したり工事用の足場の崩落や、車の横転、道路の冠水などもはっせいし、在来線が始発から運転を見合わせるなどし通勤や通学に影響を与えました。
東京都では強風にあおられて50代の女性が建物にぶつかり死亡し、千葉県では80代の男性が倒木の下敷きになり死亡者が出てしまいました。
また、千葉県市原市では台風の暴風によりゴルフ練習場のポールが倒れ20代の女性が重傷を負う被害が…。
メディアでもこの現場の映像が度々伝えられていたため記憶に残っている人も多いかもしれませんが、1ヶ月半以上が経過してポールの撤去が開始されたようです。
台風第15号による把握されている被害は、死者2名、重軽傷者109名となっています。
住宅被害は半壊が2棟、一部破損は130棟にも上り、千葉県や神奈川県を中心に最大約93万戸が停電し生活に大きな影響を与えました。
気象庁の調べによると台風第15号の最大瞬間風速は千葉市中央区の57.5メートルで、静岡県伊豆市の天城山では1時間雨量が109.0ミリを観測して最多記録を更新しました。
政府は台風第15号を被災自治体への財政支援を強化するために「激甚災害」に指定することを決定しました。
令和元年台風第19号
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令和元年台風第19号の被害について、政府は被災自治体への財政支援を強化するために「激甚災害」と、復旧事業の一部を国が代行する大規模な災害復興法に基づいた「非常災害」に指定することが決定されました。
台風第15号も「激甚災害」に指定されましたが、この短期間で再び大規模な被害が発生してしまいました。
また、「非常災害」に指定されたのは平成28年に発生した熊本地震以来の2例目とのことです。
令和元年台風第19号では各地の川で氾濫が相次ぎ、31都道府県で約7万4000棟の住宅が浸水や全半壊、一部損壊の被害を受けました。
記憶に新しい昨年7月の西日本豪雨では5万1,110棟の住宅被害がありましたが、それを2万棟以上も上回るという甚大な被害が出てしまいました。
台風第19号により各地で年間降水量の約40%が1〜2日で集中的に降りました。
この記録的な大雨により、東京を流れる多摩川や福島県や宮城県を流れる阿武隈川、長野県を流れる千曲川などの一級河川を含んだ多くの河川が氾濫し、多くの地域で広範囲にわたる浸水や冠水が発生してしまいました。
人気居住エリアとなっているJR武蔵小杉駅近くの47階建てマンションでは、地下に多摩川から逆流した水不足が流れ込み配電盤が使用出来なくなる例が発生し、停電や断水によりエレベーターやトイレの使用が不可能となり住民に大きな影響を与えました。
また、JR東日本の長野新幹線車両センターが浸水して停車していた北陸新幹線の120両が水につかり、最悪の場合は廃車となってしまう可能性もあるようです。
台風第19号による死者は88名、行方不明者は7名となっています。
被害が広範囲に及んでおり、被災者の生活再建の進め方などその他にも多くの課題を残しました。
日本に上陸した台風による被害ランキングベスト7
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過去に日本に上陸し大規模な被害をもたらした台風をランキング形式でまとめてみました!
ベスト7・昭和41年台風第26号(国際名:アイダ)
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ベスト7は、昭和41年に日本に上陸した台風第26号で国際名はアイダです。
死傷者数は死者238名、行方不明者79名、負傷者824名です。
昭和41年台風第26号は9月22日に発生し時速50kmのスピードで北上すると、先に発生していた台風第24号を追い越すと静岡県御前崎市に25日に上陸しました。
台風が上陸した御前崎市では最大風速33.0m/s、最大瞬間風速が50.5m/sを記録するなどし、富士山の山頂付近では最大瞬間風速がなんと91.0m/sという驚異的な数値を叩き出しました。
昭和41年台風第26号による被害が特に大きかったのは静岡県と山梨県でした。
静岡県にある梅ヶ島温泉では土石流により10軒中8軒が押し流される被害があり、施設の関係者や宿泊客などを合わせて32人が行方不明・死亡となりました。
山梨県南都留郡足和田村(現在は富士河口湖町)では、山の上部の斜面で土石流が発生し行方不明者・死者が94人と甚大な被害が発生しました。
そのため、昭和台風第26号による被害を「足和田災害」と呼ぶこともあります。
ベスト6・昭和41年台風第24号(国際名:ヘレン)
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ベスト6は、昭和41年に日本に上陸した台風24号で国際名はヘレンです。
死傷者数は死者238名、行方不明者79名、負傷者824名です。
死傷者数の数字は、同時期に発生したランキングベスト7の台風第26号と同じになっています。
昭和台風第24号は速度がとても遅いのが特徴で、9月17日に発生し25日に上陸しました。
台風第26号と台風第24号は影響しあっており、西側を通過していた台風第24号の速度が遅かったため東側を通過していた台風第26号が先に北上しました。
台風第24号は最大風速が30m/sで西側を通過し、西日本一帯に豪雨をもたらし各地で浸水被害が発生しました。
そして、台風第24号は台風第26号の進路にも大きく影響を与えたため間接的にはなりますが東日本にも影響を与えた台風となりました。
ベスト5・昭和28年台風第13号(国際名:テス)
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ベスト5は、昭和28年に日本に上陸した台風第13号で国際名はテスです。
昭和台風第13号は、9月18日に発生し9月25日に紀伊半島に上陸し近畿地方を中心とした大規模な被害が発生しました。
死傷者数は死者393名、行方不明者85名、負傷者2,559名です。
昭和28年台風第13号は上陸前から秋雨前線の活動を活発化させており、四国地方から関東地方にかけて持続的な雨をもたらして各地で河川の氾濫が発生しました。
台風第13号の最大瞬間風速は60m/sで、台風第13号の上陸前にすでに被害が出ていたため、三重県や愛知県の沿岸で記録的な高潮が発生し家屋の全壊8,604棟、家屋の床上浸水144,300棟、家屋の流失2,615戸にも及びました。
そして、和歌山県では昭和28年7月に発生した大水害の復興作業中でしたが台風第13号によりすべてが水の泡となってしまいました。
ベスト4・昭和26年台風第15号(国際名:ルース)
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ベスト4は、昭和26年に日本に上陸した台風第15号で国際名はルースです。
昭和26年台風15号は10月9日に発生し10月16日に上陸し、死傷者数は死者572名、行方不明者371名、負傷者2,644名です。
台風は10月9日に発生し10月中旬に勢力が弱まってから上陸すると予測されていました。
しかし、実際には中心気圧が観測史上で上位に入る935hPaとなり広範囲で驚異的な高潮を発生し、速度も早かったため暴風も吹き荒れながら豪雨ももたらし多くの犠牲者を出してしまいました。
昭和26年の夏は大干ばつとなり各地で水不足が続いていたのですが、台風第15号により水不足が一気に解消されることとなりました。
ベスト3・狩野川台風(国際名:アイダ)
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ベスト3は、狩野川台風で昭和33年9月27日に日本に上陸した台風第22号で、国際名はアイダです。
狩野川台風は、昭和33年台風第22号により伊豆半島の狩野川流域で大規模な水害が発生し、11月に気象庁が「狩野川台風」と命名しました。
狩野川台風は昭和33年9月21日に発生し、最大瞬間風速が75m/sで9月27日に上陸しました。
死傷者数は死者・行方不明者を合わせて1,269名です。
狩野川台風は東京湾の西側を通過して高潮が警戒されていましたが、台風の勢力が急速に弱まったため風による被害はほぼありませんでした。
しかし、風による被害は少なくすんだものの長期的な豪雨となり伊豆半島と関東地方南部に深刻な雨が降り続けました。
この豪雨により、狩野川台風は大規模な水害を発生させ死者・行方不明者が1,000人を超える甚大な被害をもたらすこととなりました。
ベスト2・洞爺丸台風(国際名:マリー)
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ベスト2は、洞爺丸台風で昭和29年に日本に上陸した台風第15号で、国際名はマリーです。
洞爺丸台風は9月21日に発生し、9月28日に上陸しました。
ベスト2の狩野川台風は雨による甚大な被害が発生したと説明しましたが、洞爺丸台風は雨による被害はなく暴風による甚大な被害をもたらした台風です。
死傷者数は死者1,361名、行方不明者400名です。
洞爺丸台風は、九州や四国地方を抜け日本海に抜けた後に勢力を強めて北上し、北海道に接近する頃には台風の勢力は最大となりました。
北海道岩内郡岩内町では火鉢の飛び火により3,300戸を焼失させる大規模な火災が発生し、支笏湖の周辺では森林が根こそぎなぎ倒される風による深刻な被害が発生しました。
当時の北海道はそのほとんどが原生林で覆われていましたが、洞爺丸台風により立派な姿を失ってしまったと表現されるほどでした。
ベスト1・伊勢湾台風(国際名:ヴェラ)
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ランキングベスト1は、伊勢湾台風で昭和34年に日本に上陸した台風15号で、国際名はヴェラです。
死傷者数は死者4697名、行方不明者401名、負傷者数38,921名という甚大な被害をもたらしました。
死傷者数を見ただけでとんでもない被害が発生してしまったことが分かります。
伊勢湾台風は9月21日に発生し9月26日に上陸、最近風速が75m/sで風速25m/s以上の暴風雨圏が300キロ以上の猛烈で巨大な台風となりました。
伊勢湾台風は9月26日に潮岬の西から15キロに上陸し、60〜70kmのスピードを保ち紀伊半島を通過し、日本海に抜けた頃にはなんと90キロのスピードに到達していました。
伊勢湾台風の犠牲者数は第二次世界大戦後から平成7年に阪神・淡路大震災が発生するまでの間、犠牲者で最多の数字となりました。
まとめ
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日本に上陸した台風による被害の大きさをランキング形式でまとめてみましたが、いかがでしたでしょうか。
日本に台風が上陸するのは地理的要因が大きく関係しているため防ぐことは出来ませんが、それにしても近年は多すぎますよね!
先日の令和元年台風第15号と19号の被害も、ここが日本だと信じたくないほど大規模なものでした。
被災された方の生活の再建が速やかに進むことを願うばかりです。
異常気象と言ってしまえばそれまでですが、台風を甘く見ずに対策をして伊勢湾台風のような甚大な被害を二度と繰り返してはいけませんね!
最後まで読んで頂き、ありがとうございました!