みなさんは、『リクルート事件』を知っていますか?

リクルートとは、就職や住宅情報などを取り扱っていて有名な、あの大手リクルート社のことです。

その大手リクルート社が、事業を拡大するために、多方面に未公開株をばらまいたり献金をした大事件です。

そこで、今回は風化されていまいそうな『リクルート事件』をわかりやすく振り返ってみたいと思います。

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『リクルート事件』の概要

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『リクルート事件』をわかりやすく説明するために、まずは大まかな概要を簡単に説明します。

就職や住宅情報などを取り扱っている大手リクルート社は、事業を拡大するために、公開したら値上がり確実な関連会社の未公開株を、自由民主党の実力者などの与野党議員や、経済界やマスコミなどの幹部にばらまいたり、献金をした事件です。

1989年、東京地検特捜部は、①政治界、②日本電信電話株式会社(NTT)、当時の③労働省、④文部省の4ルートにわたり合計12人を贈収贈罪で起訴しました。

①政治界ルートでは、元官房長官の藤波孝生と、元衆院議員の池田克也の2人の有罪が確定しています。

わかりやすく説明するために、先に大まかな概要をまとめましたが、次から細かく見ていきますね!

『リクルート事件』の重要人物~江副浩正~

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江副浩正(えぞえひろまさ)は、1936年6月12日に大阪府で生まれ、日本の実業家で、特例財団法人江副育英会理事長でもありました。

そして、大手の株式会社リクルートの創業者であり、有名な就職情報誌や情報通信分野だけでなく、バブル経済の波にのり、子会社による金融業やリゾート発展にまで幅広く手を広げました。

『ベンチャー起業家の草分け』とも言われました。

2013年2月8日に76歳ですでに亡くなっています。

『リクルート事件』の経緯

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①贈賄

江副浩正リクルート社会長が、自社の政治的財界的地位を高めるために、1984年12月から1985年4月にかけて、政治家や官僚、通信業界の有力者たちに、リクルート社の子会社であるリクルート・コスモス社の未公開の株を譲渡したことから『リクルート事件』は始まりました。

未公開株の取り引き相手は、1984年12月20日から12月31日の間に39人、1985年2月15日には金融機関26社に、4月25日に37社と1個人に分けられました。

1986年6月に藤波孝生元官房長官をはじめ財政界へ、リクルート・コスモス株譲渡がおこなわれました。

そして、1986年10月30日にリクルート・コスモスの株が店頭公開されて、譲渡者の売却益は合計で約6億円とされています。

②『リクルート事件』の発覚

まず、1988年6月18日に川崎駅西口再開発のために、高層建築を可能にする便宜供与を目的として、川崎市助役へコスモス株が譲渡されたことを朝日新聞がスクープしました。

その後、マスコミの後追い取材によって、中曽根康弘、竹下登、宮澤喜一、安倍晋太郎、渡辺美智雄ら90人を超える政治家がコスモス株の譲渡を受けていた事実が次から次へと発覚しました。

これは、すごい数ですよね。ここまで来ると、本当に大スキャンダルでしょう。

そして、その約2ヵ月後に日本テレビの『NNNニュースプラス1』で、衝撃的な映像が全国放送されました。

その衝撃的な映像とは、リクルート・コスモス社側が、事件発覚後に何とか事態を収拾しようと翌日に国会でこの件を追及する予定だった、野党の社民連の衆議院議員樽崎弥之助との接触を何度も試みました。

その後、樽崎は周囲に相談の上で8月末にリクルート・コスモス社社長室長と面談したが、社長室長は大量の現金が入っている紙袋を何度も樽崎に渡そうとして、『こんなものは受け取れない』などと言いながら紙袋を押し付け合っている様子が映し出されたのです。

この映像は、樽崎の知り合いの記者らにより隠し撮りされていたようで、収賄現場が全国放送されて世間に大きな衝撃を与えました。

こんな生々しい現場を見てしまったら、誰でも衝撃を受けてしまいますよね。

裏ではまだこのようなことがあるのでしょうか。恐ろしいです。

③捜査の開始

東京地検特捜部は、1989年に①政治界、②日本電信電話株式会社(NTT),③当時の労働省、④文部省の4ルートで江副浩正リクルート元会長ら贈賄側と、収賄側の藤波孝生元官房長官ら12人を起訴して、全員の有罪が確定しました。

しかし、政治界では自民党で藤波孝生、公明党で池田克也が在宅起訴され、他には3政治家秘書等の4人が略式起訴されただけで、大物政治家たちは立件されなかった。

これについては、リクルート・コスモス社の未公開株の譲渡が具体的に何の見返りを期待して、何の見返りを要求したのかが特定しづらかったこたが大きいようです。

当時、疑惑が持たれた官僚や閣僚たちは、『妻が株をもらったので、私は知らない』

『家族が株をもらった』

『秘書が株をもらった』
などと釈明し、小学生の間にまで『妻が、妻が…。家族が、家族が…。秘書が、秘書が…。』

という言葉が流行したようです。

大人たちが…。全てが言い訳に聞こえてしまい、あきれてしまいますよね。

当時首相だった、竹下登の秘書をしていた青木伊平の自殺も、大きく騒がれたそうです。

『リクルート事件』の竹下登のお金の流れを当然把握していて、青木伊平の証言次第では、現役首相の逮捕なんてことにもなりかねませんよね。

また、自殺と言われた青木伊平の亡くなった時の状況が、不自然であったことから『本当に自殺なのか?』と一部で疑問の声が上がったそうです。

また、中曽根康弘はふてぶてしい態度を取り、記者会見では自分の見方の記者以外を立ち入り禁止にしたり、事前に提出させた質問以外は受け付けないなどして、乗り切りました。

国会では、野党の追及が甘かったのか、顔に不敵な笑みを終始浮かべていました。

ここまで、『リクルート事件』の経緯をわかりやすくまとめてみましたが、いかがでしたでしょうか?

次に、未公開株について譲渡のメリットなどをまとめました。

これでより、『リクルート事件』の内容を深く理解出来ると思いますよ!

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未公開株とは?未公開株を譲渡するメリットとは?

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まず、証券取引所に上場している企業の株式は、基本的に株式公開しているので証券取引所で(一般的には、証券会社を窓口とします)売買することが出来ます。

そして、これとは反対に上場していない企業の株は株式公開していないため、その株は『未公開株』と呼ばれています。

未公開株の譲渡で、譲渡側にどんなメリットがあるかと言うと、簡単に言えば儲かる可能性がとても高いことです。

通常は、企業の株式を新規に証券取引所に公開する時は、直前に未公開株を一般に向けて販売するのですが、公開直後には販売価格よりも市場価格が上回ることがとても多いため、譲渡側にとっては利益を得る可能性が非常に高くなるのです。

※詐欺などで逆に損をする可能性もあります。

実際に、リクルート・コスモス株の店頭公開後、譲渡側にの売却益は約6億円とされています。

しかし、株式店頭公開後に将来株主として会社を支えてもらいたいなどの理由で、入力困難な未公開株を譲渡することは問題はないそうです。

『リクルート事件』がなぜ問題になったかと言うと、株の譲渡の目的です。

何のために、未公開株を多数の政治家や官僚、学界、マスコミ関係者に譲渡したのかが問題になります。

この場合、裁判で現金の受け渡しを、未公開株の譲渡に置き換え、事実上の利益を得るための贈賄工作だと認定されたのです。

つまり、値上がり確実で売却益が大きい未公開株を譲渡することにより、自社の政治的地位などを高めることを目的としていて、リクルート・コスモス社に色々な面で優遇してもらうことを期待しての行為とみなされたのですね。

まとめ

『リクルート事件』のまとまはいかがでしたでしょうか?

わかりやすくまとめてみましたが、いまだに事件の核心の解明には至っていないようです。

ここまで明らかにされていながら、大物議員は逮捕されずに終わった事件、国民は政治不信になってしまいますよね。

現在でも、裏ではこういうことが行われているのではないかと思ってしまいます。

二度と同じような事件が起きないことを祈るばかりですね。

最後まで読んで頂き、ありがとうございました!

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