つい先日の2017年10月16日、地中海のマルタ共和国でパナマ文書をもとにして政府を追求していた女性ジャーナリストのダフネ・カルアナ・ガリチアさん(53)が殺害されました。

その死因は、車に仕掛けられた爆弾でした。

日本の報道では大きく取り上げられていませんが、これによって世界中に衝撃が広まっています。

パナマ文書とは何か?と言われても、どんなものなのかわからない人も多いと思います。

そこで今回は、パナマ文書についてわかりやすくまとめました。

なんとその中には、著名な日本人の名前もあったんですよ!

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パナマ文書とは

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パナマ文書とは、わかりやすく言うとパナマの法律事務所である「モサック・フォンセカ」から流出した膨大な量の機密文書です。

パナマ文書は1970年代から作成されていて、総数は1150万件にも上る電子データです。

パナマ文書の中には、タックスヘイブンを利用したおよそ21万4000社の企業の、株主や取締役などの詳細な情報が書かれていました。

タックスヘイブンとは?

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聞きなれない言葉ですが日本語にすると、租税回避地のことで、わかりやすく言うと税金がかからない地域や、低い地域のことです。

よく、「オフショア金融センター」や「オフショア」とも呼ばれています。

タックスヘイブンは、意図的に税金を安くして世界中の企業や富裕層などから資産を誘致して、外国資本を獲得しようとしている国や地域のことを指しています。

タックスヘイブンに所得を移動させることで、いわば税金逃れをしていたことになるのです。

その他にも、色々な規制が緩い反面、情報の機密性が高いということもあります。

さらに、実質的な活動をしていなくても認められる場所も多いため名前だけの会社、いわゆるペーパーカンパニーを設立することも可能なのです。

有名なタックスヘイブンと言えば…

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タックスヘイブンとして有名な所には、イギリス領のケイマン諸島や、バージン諸島などのカリブ海の島国が挙げられます。

その他にも、香港やシンガポール、マカオなどは税率が低いので実質的にタックスヘイブンと分類されています。

なんと、1つのビルだけで数万社の登記がある所もあって驚きです!

著名人の関与が次々と発覚…

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合計で2.6TB(テラバイト)にも及んだパナマ文書を、2015年にドイツの新聞社である「南ドイツ新聞」が匿名の人物から入手して、国際調査報道ジャーナリスト連合と一緒に分析しました。

世界80ヵ国、107社の報道機関に所属している約400人のジャーナリストたちが、パナマ文書の分析に加わりました。

その後、2016年5月に21万以上の法人と、その株主たちの名前を公表しました。

そして企業の関係者には、各国首脳や首脳経験者たち12人を含んだ、多くの著名な政治家たちや富裕層の人たち合わせて140人もの人たちがいました。

著名な日本人もいて、公的組織も存在しました。

パナマ文書が流出したのは、内部リークの可能性も指摘されましたが、モサック・フォンセカは「外部からのハッキングによって流出した」と説明しました。

同時に違法行為への関与も否定していましたが、2017年2月に経営者のモサック氏とフォンセカ氏の2人が、ブラジルの汚職事件に絡んだマネーロンダリングでパナマ検察当局に逮捕されたと報じられました。

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首相たちが辞任する事態にまで!有名企業の税金逃れも次々と発覚!

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パナマ文書は、各国にさまざまな影響を与えました。

アイスランドのグンロイグソン首相の辞任

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2008年のリーマンショックで自国が金融危機に陥っているなかで、夫婦で株主に名前を連ねていたタックスヘイブンのイギリス領バージン諸島の企業を通して、国内の銀行証券を数百万ドル(日本円にすると数億円)を保有していたことが、パナマ文書によって明らかにされました。

それによって、首相退陣を求める数千人規模の抗議デモが起きて国内は緊迫した状況になり、2016年4月にアイスランドのグンロイグソン首相は辞任しました。

パキスタンのナワズ・シャリフ首相の辞任

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シャリフ首相はパナマ文書によって、息子や娘がタックスヘイブンに会社を持っていたと指摘されました。

これによって、資産隠しに関与した疑いが浮上しました。

その後、野党が最高裁に調査を申し立て、最高裁判所はシャリフ氏の下院議員資格が無効であるとの判決を下しました。

これは、シャリフ氏が審理であいまいな説明を繰り返したため、議員としての説明責任を果たしていないと判断されたようです。

シャリフ氏は2017年7月に首相を辞任しました。

この他にも…

ウクライナのポロシェンコ大統領やサウジアラビアのサルマン国王などがタックスヘイブンを利用していたとの指摘をされました。

ロシアのプーチン大統領の古くからの友人もバージン諸島に設立した企業を通して約20億ドル(日本円にすると約2200億円)にも上る金融取引を行っていたことが明らかにされました。

他にも、中国の習近平国家首席の義理の兄がバージン諸島に法人会社を設立していました。

多くの有名企業の税金逃れも発覚

多国籍企業として超有名な、アップルやグーグル、アマゾン、マイクロソフト、スターバックスなどもタックスヘイブンを利用して税金逃れをしていたことが明かになりました。

その中でもスターバックスは14年間におよび、イギリスでの納税を逃れていたことが明らかにされました。

それによって、イギリスの市民たちは「私たちはスタバより納税した!」と怒りながら店舗前に座り込んだようです。

超有名企業よりも、一般市民がたくさん税金を納めていたとしたら、だれでも怒り爆発しますよね。

パナマ文書には多くの日本企業や著名な日本人も載っていた!

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パナマ文書という名前から外国の問題なのかと思いきや、しっかりと多くの日本企業や著名な日本人も載っていたのです。

パナマ文書に載っていた日本の企業とは?

商社だと、あの有名な伊藤忠商事や丸紅の名前がパナマ文書に載っていました。

お互いに目的はビジネスのために会社を設立したため、税金逃れのためではないし、違法性も特にないと主張しました。

アパレル業界からは、すっかりお馴染みとなったユニクロやGUが有名なファーストリテイリングも、パナマ文書にはCPATという名前に変更して載っていました。

これも、税金逃れが目的ではないと主張しました。

通信業界からは、あの超有名なソフトバンクに関連している企業の名前も載っていました。

ソフトバンクの孫正義社長は、その企業は孫会社のような会社であって、株主として投資をしていたと主張しました。

パナマ文書に載っていた著名な日本人とは?

パナマ文書に載っていた著名な日本人では、楽天の社長である三木谷浩史さんの名前が載っていました。

それは、TRADENET  INVESTMENTSという法人名で楽天を設立する前に、あくまでも個人的に投資していた会社なので、現在は株も売り払い楽天とは全くの無関係だと主張しています。

その他にも著名な日本人としては、セコムの創業者である飯田亮さんの名前も載っていました。

飯田亮さんは、専門家にも相談をした上で税金もキチンと払っているため問題はないと主張しています。

また、著名な日本人の中には詐欺師として有名な宮本敏幸氏の名前も載っていました。

宮本敏幸氏は、2006年~2007年にかけて架空のもうけ話を持ちかけて、およそ3億5,000万円以上もの金額を騙し取った人物として有名です。

宮本敏幸氏の銀行口座などを調べても資産は残っていないと謎が残されていましたが、名前がパナマ文書に載っていたことによって、資産隠しの疑いが浮上しました。

タックスヘイブンが存在すること自体は問題なし!

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タックスヘイブンが存在すること自体が問題なんじゃないの?と思った人はいませんか?

しかし、タックスヘイブンが存在すること自体は、国際法上で問題ではありません。

そのために、タックスヘイブンを利用して税金の支払いから逃れている人や企業たちがたくさんいるのです。

ではなぜ、タックスヘイブンが問題視されるのでしょうか?

①犯罪組織の資金源に利用されてしまう点

タックスヘイブンの問題点は、犯罪組織の資金源に利用されている点です。

タックスヘイブンは、実質的な活動をしていなくても名前だけのペーパーカンパニーを設立することも可能なのです。

犯罪組織がペーパーカンパニーを設立して、被害者たちから集めたお金を送金してしまえば、個人情報が厳重に守られているタックスヘイブンでは詳細が不透明なのです。

これを利用してしまえば、悪意のある資産隠しが可能になってしまうのです。

その他にも、戦争を行う国に対して巨額の資金が渡る可能性もあると指摘されているのです。

犯罪に簡単に利用できてしまうとは、とても恐ろしいですよね。

②税金から逃れる者が多発している点

タックスヘイブンに利用する多くの人たちや企業の目的は、わかりやすく言えば税金の節約です。

タックスヘイブンに資金を移してしまえば、本当は自国に納税しなければならない税金を納める必要がありません。

それによって、国全体で見れば税収が減少したり産業が流出するというデメリットが生まれてしまうのです。

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パナマ文書の報道に加わった女性記者が殺害された!

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地中海の島国マルタの地元メディアによって、2017年10月16日にマルタ本島北部で地元の記者である、ダフネ・カルアナガリチアさん(53)の運転する車が自宅を出発した直後に爆発したことが明らかにされました。

カルアナガリチアさんが乗っていた車は、道路脇にある畑まで吹き飛ばされて大破したそうです。

カルアナガリチアさんは、マルタでは政治家たちの腐敗などをとても厳しく追及する記者として有名でした。

パナマ文書の報道にも加わっていて、マルタのムスカット首相の妻が、資産隠しのために中米のパナマに会社を置いていた疑惑を報じていました。

この件についてムスカット首相は、カルアナガリチアさんは殺害されたとした上で、私にとって彼女は批判者だったが、このような野蛮な行為は正当化することは出来ない。報道の自由に対しての攻撃だ」と非難するとともに、徹底的な捜査をするように関係機関に指示を出しました。

地元のメディアは、カルアナガリチアさんは殺害された2週間前に脅迫を受けていると警察に相談をしていたなどと報道し、衝撃が広まっています。

10月16日の夜には、地元の市民3,000人が集まって、追悼するなどその他でも悲劇的な死を追悼する動きが広まっています。

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なぜ日本ではパナマ文書関連について報道されないの?

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パナマ文書の中には、多くの日本企業や著名な日本人の名前も載っていることが分かりました。

調べてみると、世界的な大事件であって、報道に関わった女性記者が殺害されるなど続報もあるにも関わらず、日本では報道されませんよね。

この温度差に何か、違和感を感じませんか?

気になり調べてみると、あくまでも一説ですが、その原因は電通が報道を規制しているからとされています。

電通はマスコミを裏で操作していると、密かにささやかれているようなのです。

電通の名前はパナマ文書にも載っていました。

そのため、マスコミでパナマ文書関連の事件が報道されないのではないか?という説が出ているのです。

それ以外には、パナマ文書には多くの日本企業の名前も載っていて、テレビ局のスポンサーになっている企業もいるはずです。

そのため、報道されないのはスポンサーへの配慮もあるのでは?との声もあります。

しかし、どれも憶測に過ぎません。

世界的な大事件をここまで報道しないのには、普通に考えても絶対に何かありそうですよね。

まとめ

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パナマ文書とは何か?についてわかりやすくまとめてみましたが、いかがでしたでしょうか?

パナマ文書とは、パナマの法律事務所である「モサック・フォンセカ」から流出した膨大な量の機密文書です。

それが流出したことによって、多くの著名人や企業などの税金逃れが明らかにされたのです。

つい先日には、パナマ文書についての報道をしていた女性記者が殺害されるなど、事件の闇はまだまだ深そうです。

なぜか日本では報道されないパナマ文書関連の事件ですが、日本の報道の裏側の闇もとても深そうですね。

最後まで読んで頂き、ありがとうございました!

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