東日本大震災を振り返る

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未曾有の大災害と言われた東日本大震災の発生から6年が経過し、2018年の今年3月11日には7年目を迎えます。

筆者も当時、地震を体感したのちにテレビに映し出されたさまざまな光景に、胸を締め付けられ、衝撃を受け、どうすることもできない無力感を感じたことをいまだに覚えています。

皆さんはあの時、あの瞬間、何をされていましたか?

いつまでも風化させないためにも、今回はこの東日本大震災についてあらためて、概要や被害状況、現在の復興状況などについてご説明いたします。

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東日本大震災とは

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東日本大震災とは、2011年3月11日、午後2時46分に突然日本列島を襲いました。

まず三陸沖で発生したマグニチュード9.0の東北地方太平洋沖地震は、最大震度7の強い揺れをもたらし、その地震で国内での観測史上最大と言われる津波を各地で起こしました。

それに伴い、東北地方や関東地方を中心とする広い範囲において、甚大な被害をもたらしました。

また、その後も最大震度5弱以上の大きな余震もたびたび起きており、関東北部や長野県、新潟県などでも土砂崩れや家屋の倒壊、断水などの被害が出ました。

大震災の震源地や被害とは

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この地震は、西北西から東南東方向に圧力軸を持つ逆断層型で、岩手県沖から茨城県沖にかけての長さ約500キロメートル、幅約200キロメートルの広い範囲が震源域となって起きたといわれています。

そのため、津波は北は北海道から、南は沖縄県まで観測され、岩手、宮城、福島の東北3県では浸水高が10メートルを超え、最大遡上高は1896年の明治三陸沖地震の際に観測された数値を上回る、観測史上最大の40.0メートルとなりました。

地域によっては海岸から数キロメートル内陸にまで津波が浸入した地域もあり、その威力は建物が根こそぎ流されて壊滅状態になるほどでした。

東北3県に大きな被害が出たほか、茨城県や千葉県でも津波による死者が出ましたし、各地で地盤沈下や液状化現象が見られ、千葉県浦安市では市域の4分の3で液状化が起き、家屋の傾斜や断水、路面の地割れなどの被害が出ました。

物的被害状況

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首都圏ではJR各線をはじめ、鉄道が長時間停止するなど交通機関が運行を停止したために、帰宅時間になっても自宅までたどり着く手段がなくなってしまったという「帰宅困難者」が多数発生しました。

建物被害は、全半壊が37万戸超にも上り、全半焼も281戸などと壊滅的な被害が相次ぎました。

また道路損壊も3918カ所、山崖崩れは205カ所などで発生したと報告されています。

工場や農地も被災しており、この被災地域では電子部品や素材の出荷が多く、工場の稼働停止は国内のみならず海外の製品生産にも影響を与えることとなりました。

さらには被災地域で生産されたものではなくても、日本製品の輸入自体を停止した国もあり、内閣府では、住宅、工場、店舗、農林水産施設、ガス、水道、道路、港湾、学校、病院などの資本ストックの被害額を約16兆9億円と推計していると当時発表しました。

原子力発電所の被災

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また、この大きな地震による物的被害は甚大で、まず東京電力福島第一原子力発電所が被災し、放射性物質が漏れ出すという深刻な事態となりました。

また、福島県の海岸線に建つ福島第一原発では外部電源や多くの非常用電源設備の機能を失ったことなどによって、炉心を冷却する機能が損なわれてしまいました。

さらには2011年3月12日から15日にかけて、6基の原子炉のうち1号機、3号機、4号機で水素爆発が起こり、原子炉建屋が損傷する事態となりました。

こうした一連の事故がもとで、大気中には放射性物質が大量に放出されることになり、これは国際的な事故評価尺度(INES)で最悪の「レベル7(深刻な事故)」と評価されたほどでした。

そして一部の農産物などからは、国の暫定基準値を超える放射性物質が検出されたことで、海外からの旅行のキャンセルも相次ぐ事態となりました。

さらには国内の消費者の間でも、被災地の農産物の買い控えなど、風評被害と見られるような行動が広がりを見せ、被災地はさらなる大打撃を受けました。

ちなみに「レベル7(深刻な事故)」というのは、1979年のアメリカのスリーマイル島原子力発電所事故を上回り、1986年の旧ソ連・チェルノブイリ原発事故と同等レベルとされ、国の原子力災害対を策本部は原子力災害特別措置法に基づき、「原子力緊急事態」を宣言し、福島第一原発から半径20キロメートル圏内を警戒区域に対して、さらには事故発生1年間の積算線量が20ミリシーベルトに達する恐れのある区域を計画的避難区域に指定するなどし、約11万人が避難を余儀なくされました。

また東京電力はこれらの被災から電力不足に陥ることとなり、やむを得ず最低電力を確保するために「計画停電」を実施するに至りました。

宮城県をはじめとする東北3県の甚大な被害

特に宮城県気仙沼市などでは、津波で倒されたタンクの重油に引火しての大規模な火災などが多発し、甚大な被害を被りました。

そのほか東北3県を中心に広い範囲で停電や断水になり、太平洋側の港湾や沿岸を走る鉄道、仙台空港などが津波に遭ったため、輸送交通網が切断されて物資供給、ならびに生活ルートの確保が困難となりました。

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人的被害状況

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当時の警察庁緊急災害警備本部によると、被害は東北3県を中心に1都1道20県に及び、死者1万5,848人に上り、行方不明者もいまだ3,305人いると発表されています。

自力で避難が困難な高齢者の方や、障害者の死亡率が高かったのも特徴で、避難所や移転先の施設などで亡くなった方も多かったと聞きます。

また先程にも述べたように、国の原子力災害対策本部は、福島第一原発から半径20キロメートル圏内を警戒区域に、さらに事故発生1年間の積算線量が20ミリシーベルトに達する恐れのある区域を計画的避難区域に指定するなどし、約11万人が避難を余儀なくされました。これにより被災者は近隣地域を中心に全国に避難をすることになりました。

 

東日本大震災のその後

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では当時震災直後から7年が経とうとしている現在までに、震災後の復興や避難状況はどのように変化しているのでしょうか。調べてみましたのでご紹介いたします。

被災者の避難状況とは

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2012年当時では約34万人以上が仮設住宅や民間住宅、または親戚宅などで暮らしていたといいます。

しかし7年経った2018年現在でも、なかなか避難した方々が戻ってきていないといいます。

たとえば新潟県は、東京電力福島第1原発事故で福島県外に自主避難した世帯の約8割が、昨年3月末に災害救助法に基づく応急仮設住宅の無償提供が終了した後も、福島県に戻っていないとの調査結果を明らかにしました。

さらに詳しい調査結果によると、計2,753世帯の自主避難者のうち、76.2%に当たる2,097世帯が無償提供終了後も避難先に住み続け、福島県に帰還したのは17.1%の472世帯にとどまったとのことです。

また、福島県以外に移ったのが78世帯、不明が106世帯だったといいます。

これに対しては「震災前の生活や人間関係を取り戻すことは容易ではない」ためではないかとされており、たとえば避難した際は小さかったお子さまが避難先で保育園や幼稚園、学校などに通うようになり、生活の基盤が避難先で確立してしまった場合、7年経って今からまた戻って一から生活環境を立て直すかというのは非常に難しい問題となります。

これらは被災からの長い避難生活で起きた結果であり、今後の課題を浮き彫りにする形ともなりました。

復興状況とは

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たとえば岩手県の陸前高田市内の中心部では震災による大津波で壊滅的な被害を受け、地盤沈下などの被害が著しかったですが、現在までに一面でかさ上げ工事が着実に進められています。

沿岸部では当時からニュースでたびたび取り上げられている、津波に耐えたとしてシンボルとなった「奇跡の一本松」が今も立っています。

地盤沈下の影響で海水に浸かり根腐れしていたため、「枯れた」と一部で報道されましたが、市は被災者の希望になるとして受け継ぐことを決断し、世界中から寄付を募って2012年9月に伐採した後、防腐加工して13年6月に復元しました。

現在では、周囲にバス高速輸送システム(BRT)の駅や土産物屋も完成し、夜間はライトアップされるなど観光の中心となっています。

またその周辺は今後、ほかの震災遺構と併せて整備が進められる計画があり、20年度を目処に国営の追悼・祈念施設が完成する予定だといいます。

また、宮城県名取市でも当時津波による濁流で、見渡す限りほとんどのものが流されてしまいましたが、一度更地になった後かさ上げ工事が進められ、宅地造成も始まっています。

被災地などへの支援状況

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東日本大震災に見舞われたのち、日本は世界各国から支援を受けました。たとえば多くの緊急救助隊や医療支援チームなどが被災地に派遣されましたし、在日米軍においては最大時には2万人以上による大規模な支援活動「トモダチ作戦」を展開しました。

また、ソフトバンクの孫正義社長や、男子ゴルフの石川遼選手など、国内外の各界の著名人が高額の寄付や支援活動を実施したことは、当時ニュースでも取り上げられ大きな話題となりました。

義援金

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日本赤十字社などには約5ヶ月ほどで3,000億円を超える義援金が寄せられたといい、2014年までには全国各地や海外からも合わせると、総額で3,743億円が寄せられたといいますが、一体どのように使われたのでしょうか。

これらの義援金は基本的に、被災した15都道県に送られて、配分委員会を通じて被災者に届けられるようになっています。しかし被災者の手元になかなか届けられないという事態が発生し、今後の課題を残したままとなっています。

なお、地方自治体でも義援金は募集しており、被害が大きかった各自治体に直接送られた義援金は、青森県で10億円以上、岩手県で182億円以上、宮城県で265億円以上、福島県で216億円以上となっています。

物資支援

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この東日本大震災では多くの物資支援が国内外から届けられましたが、日本自体が被災に慣れていないこともあり、支援で送られた物資の分配や整理に時間がかかったり、保管しきれなかったり、または送られてきた物資がそもそも使えなかったりと、なかなか活かされていなかったのが実情のようです。

たとえば無いよりはいいだろう、役に立つかもしれない、と送られてきた生活雑貨は、被災直後には重宝されたものの、時間が経つにつれて地元商店の営業再開を阻害する一因になっているとも言われています。

また、成分表が分からないものや海外食品で成分表が読めないものは、多数の人へと配られる配給食では使えないことも多いといいます。

中には電化製品が使えない中、冷凍食品が送られてきたという話も聞きます。

いま私たちができることとは

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こうしたことからも、被災をしなかった地域の人たちも、いざ大災害、大震災に見舞われた時にはどういった行動が必要なのか、被災地にはいったい何が必要なのか、他人ごとではなく常日頃から意識を高く持って知識を蓄えておく必要性を感じます。

地震や津波に対する対策とは

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それではここからは実際に地震や津波に対する対策として、どのようなことを意識していくのが良いのか、詳しくご紹介してまいります。

ハザードマップ(防災マップ)をチェックする

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必ずそれぞれの地域では過去の歴史やデータを分析し、どのような危険が想定できるかを予想し、その被害とその範囲を算出してハザードマップというものが作成されています。

国や各自治体でも「地震防災マップ」や「津波・高潮ハザードマップ」などが作られて展開されていますので、必ず目を通しておくようにしましょう。

また、家族で誰かだけハザードマップを見ているだけでは意味がありません。ご家族全員で必ず一度は目を通し、できればいざ何かが起こった際にはどのように避難場所や避難地域まで行くのかなどを話し合っておきましょう。

ご家族内で連絡方法や集合場所を決めておく

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万が一地震や津波に見舞われた時は、家族と連絡を取ろうとしたり安否確認をしようとしても携帯電話やメールが繋がらなくなってしまうため、なかなかできない状況となります。

そこであらかじめご家族内で、万一の時にはどのように連絡を取り合うか、またお住まいの地域のどの避難場所に集合するかなど、話し合っておくと再会しやすくなります。

ちなみに今回の震災では、携帯電話やメールが繋がらなくなった災害時やその後の支援活動に、ツイッターなどのソーシャルネットワークサービスが活躍し、情報発信が活発になされました。

発生直後には、大惨事の混乱の中で冷静に秩序を保つ被災者の姿が映し出され、海外で報道されて賞賛されるということもありました。

避難方法や安全対策を知る

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何かあった場合、知識として知っているのと知っていなかったのでは、その後の行動に大きく影響してきます。

地震が起きた時に何をしなければいけないのか、避難方法を事前に知識として知っておく必要があります。

【避難方法を覚えておく】

・地震が起こったら、机の下や家具の下などに入り、身を守りましょう。
・窓ガラスや本棚、食器棚などの、割れたりする可能性のある家具や背が高い家具、固定されていない家具は転倒のリスクがありますので近づかないようにしましょう。
・外出先であった場合、近くの建物の壁や塀が崩れたりするリスクがありますので、できるだけ広い広場や公園などに避難をするか、頑丈な建物の中に避難するようにしましょう。
・家の中でも、いざ地震が起きた場合にはどこが一番安全か、家具の配置や建物の構造から事前にご家族で話し合っておくと良いでしょう。

非常用持ち出し品を用意する

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実際に地震が起きた場合、避難をしなければならないといざなった時にすぐに行動できなければ意味がありません。その為には、避難が必要となった時にすぐに非難ができる準備をしておくことが重要です。
たとえば、非常用持ち出し品は事前にまとめて用意しておくことが望ましいです。

【非常用持ち出し品】

・携帯カイロや毛布
・救急箱
・食料品(水、缶詰、食パン(乾パン)、チョコレートなど)
・携帯できるラジオ
・懐中電灯
・ろうそく、ライター
・予備電池
・缶切り
・赤ちゃん用品や介護用品
・下着や衣類
・預金通帳や印鑑、現金などの貴重品
・ビニール袋(防寒着やレインコート、トイレなどの代用品となる)
・携帯用ウェットティッシュ
・簡易トイレ

被災地に本当に必要なもの

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では被災地になくて困ったもの、あれば便利であったものとは何でしょうか。

こちらも調べてみました。

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携帯用ウェットティッシュ、おしりふき

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携帯用ウェットティッシュは被災された方からも何かと重宝したという声が多かったようです。
たとえば水がなくてお風呂に入れない時には体や顔をを拭いたりできますし、赤ちゃんや小さいお子さまがいるご家庭ではお世話する際に必需品となります。
アルコールが含まれているものと含まれていないものがありますが、これはそれぞれメリットとデメリットがあるようです。アルコールが含まれていると消毒できるので衛生面では良いですが、防寒ができない状況ではスースーして寒いという声もあるようです。

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やはり何をするにも水が必要不可欠です。給水車が来たり配給されたりはするものの、十分な量が各一人ずつに渡るわけではありません。
今までの災害を通して、防災対策としてウォーターサーバーを設置したという方もいらっしゃいますが、停電になってしまえば使えません。最近では○年先まで保存可能という水もありますので、家の中に何カ所かに分けて保存しておくのも良いでしょう。

なお、給水車が来たり配給されたりした時に困るのが、「水を運ぶ手段」です。つまりは容器なのですが、頑丈なブルーなどのポリタンクなどはかえって重たくて何度も運ぶことはできません。バケツではすぐにこぼれたりする可能性がありますので、軽いポリタンクや防災用の水を汲めるバックなどを用意しておくと便利です。また水の重さを考えて、あらかじめ台車やカートを用意しておくというのも手です。

毛布やひざ掛け

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暖を取る以外に、意外と役立ったのは毛布やひざ掛けなどだといいます。というのも、家の中で割れた食器やガラスの破片が散乱していることも多く、被災後に片づけられるまでの間はその上に毛布やひざ掛けを敷いている方が多かったようです。
また、避難先では団体行動も多く、プライバシーを確保するための目隠しに使ったという方もいらっしゃったようです。

携帯食品やお菓子

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なかなかきちんとした食事が摂れない日が続いたりしますので、ちょっとしたお菓子や携帯食品が役立つそうです。特にお子さまがいるご家庭では、お腹を空かせたお子さまに与えたり、ストレス軽減の役割もあったようです。
ただし、味の濃いものや、せんべいなど口の中の水分を奪ってしまいがちなものは喉が渇きやすく、余計に水分を摂取したくなりますので注意が必要です。

生理用ナプキンや織物シート、おむつ

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これは女性やお子さまを持つ方特有の悩みでしょうが、意外にも忘れられがちな点です。電気やガス、水道が止まって洗濯ができない、替えが効かないという状況では、生理用ナプキンや織物シート、おむつがあるのとないのではだいぶ違います。
意外にも被災された方々の声では「かさばってもいいから種類が欲しい」という声も多く、無い方同士で分け合うほど重宝したといいます。

サランラップ

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これも意外ですが、何かとサランラップが活躍したという声があります。
というのは、通常の食べ物の上にラップを掛けたり、包んだりするといった衛生的に食べ物を保存する方法でも使用できますが、そのほかにも、食器を汚さないようにサランラップを敷いて使ったり、ゴミの臭いを防ぐために汚物をラップで包んだり、ケガをした場合には訪台代わりにしたり、汚れた場所に座る際のハンカチ代わりにしたりと、いろいろ活用できるようです。

まとめ

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いかがでしたでしょうか。実際に遭ってみなければわからないこともありますが、こういった被災者の方々の声に耳を傾けながら、実際にはその時に何が必要なのか、どのような対策を事前に取っておくのが良いのか、私たちも学ばなければいけません。

ぜひとも身近なことから一つずつ、でもいいですので始めてみてはいかがでしょうか。

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最後になりますが、このたびの東日本大震災によりお亡くなりになられた方々とご遺族の皆さまに対し、ご冥福をお祈り申し上げるとともに、被災者の皆さまに謹んでお見舞い申し上げます。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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