2019年10月に消費税率が現在の8%から10%に引き上げられます。

2015年10月、民主党政権時代に消費税を10%に引き上げる法案が成立していましたが、これまで2度にわたり増税時期が先送りされていました。

個人的には増税はできれば避けてほしいところですが、とうとう実現されようとしています。

そもそも、消費税はどうして生まれたのでしょうか。

また、税収の推移や集めた消費税が何に使用されているのかも気になります!

そこで今回は、消費税の歴史についてわかりやすく振り返り、消費税の使われ方などにも迫ってみました!

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消費税の歴史

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それでは、消費税の歴史についてわかりやすく説明します!

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消費税が導入された理由

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実は消費税が導入される前まで課税されるものが何もなかったわけではなく、消費税に代わるものとして物品税がありました。

物品税とは、特定の物品やサービスに対して課税される個別間接税のことです。

具体的には自動車や貴金属、毛皮製品、ゴルフ用品などに対して課税が行われ奢侈(しゃし)度で税率が異なっており、生活必需品とされるものは非課税になっていました。

わかりやすく言ってしまえば、贅沢品に税金が掛けられていたわけです!

しかし、この制度には問題がありました。

それは、毛皮製品やゴルフ用品、普通の家具などに対して課税されるものの、高級織物やテニス用具、桐の家具などには課税されず類似品でも課税に差があり、不公平だとの声が出るようになったのです。

さらに、所得水準が上昇したため国民の価値観なども変化し、贅沢品の区別が付かなくなり課税すべき物品やサービスを客観的な基準で特定することが困難になっていきました。

そのため、これらの問題を解決するために消費全般に広くて薄い負担を求めるために、消費税の創設が必要だと考えられたのです。

また、この他にも消費税の導入には少子高齢化社会への財源確保や、少子化対策費用の財源を増やすためなど大きな目的もありました。

1979年、大平正芳首相時代に一般消費税導入が打ち出される閣議決定がされましたが、その年の選挙では自民党が大敗する結果となりました。

1987年、中曽根康弘首相時代には売上税法案が国会提出されましたが、小売業界などからの反発の声が大きく、この直後の選挙で自民党が敗北したことも重なり廃案となりました。

1988年、竹下登首相時代にとうとう消費税法が成立し、日本初となる付加価値税の消費税が導入されることになりました。

消費税がスタート

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消費税法は1988年12月30日施行され、1989年(平成元年)4月1日、税率3%の消費税がスタートし、物品税は廃止となりました。

消費税を払うことは当たり前になっていましたが、消費税の歴史は平成になってからと意外と浅いのですね~!

1994年2月、細川護煕首相が「消費税を3%から7%に上げて福祉目的に限定する国民福祉税の導入」を記者会見で発表しました。

しかし、当時から消費税は福祉財源に適しているという考えはありましたが、あまりにも急な発表であったことで政権内や国民から猛反発されすぐに撤回されました。

1994年11月、村山富市首相時代に消費税を3%から4%に引き上げ、地方消費税1%を加える税制改革関連法が成立しました。

1997年4月1日、橋本龍太郎首相時代に消費税率5%がスタートました。

2004年、小泉純一郎首相時代には消費税込みでの価格表示が義務となり、消費者は金額の計算がわかりやすくなりました。

2009年、鳩山由紀夫首相時代には自民党から民主党への政権交代がありした。

2011年、野田佳彦首相時代に消費税率を2014年4月に8%に、2015年10月に10%に引き上げる案が税制調査会に提出されました。

2012年、消費税増税案が参院本会議で可決成立し、軽減税率の導入の合意もされました。

2014年4月1日、安倍晋三首相時代に消費税率8%がスタートました。

この時、消費税込みでの価格表示が義務化されていましたが、増税により記載される金額が大きくなってしまうことなどが理由で、期間限定で税別価格表示が認められました。

確かに気分的にはだいぶ違うかもしれませんが、だまされたような気分になるような…。(苦笑)

さらに、2015年10月に消費税が10%に引き上げられる予定でしたが、2017年4月に延期となりました。

2016年、2017年4月に消費税が10%に引き上げる予定でしたが、2019年10月に再延期となりました。

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なぜ2度も増税が延期されたの?

2014年4月1日に消費税率を5%から8%に引き上げた時に、直前に駆け込み需要が発生してその大きな反動で増税後に消費の落ち込みがありました。

しかし、多くの人たちは消費は次第に回復すると考えていたのですが、思うように回復していなかったためです。

2018年、景気の回復傾向が見られたため2019年10月に消費税率を10%に引き上げ、軽減税率を導入することが正式に表明されました。

軽減税率については以前詳しくまとめてありますので、よろしければこちらもご覧下さい!

軽減税率とは わかりやすく3分で説明します メリットとデメリットは?インボイスとは?

税収の推移

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国の税収は消費税だけでなく、所得税や法人税もあります。

国の税収の推移を調べてみると、過去最高だったのはバブル景気に沸いていた平成2年から平成3年で約60兆円となっています。

その後、景気の低迷などにより税収は落ち込んでいき、リーマンショックなどの影響もあり平成21年には約39兆円にまで落ち込みました。

平成元年に消費税が導入されてから段階的に消費税率も引き上げられてきましたが、それに伴い税収が増加してきたわけではありません。

消費税率が上がると商品が売れずらくなるため、企業の利益が減るとともに労働者の給料も下がり、所得税が下がる傾向にあるためです。

消費税率が上がれば税収も増加するわけではないとは、驚きですよね~!

ちなみに、2018年度の国の税収は約60兆円と過去最高に迫るものとなっています!

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消費税は何に使われているの?

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買い物をする度に当たり前のように納めている消費税ですが、みなさんは消費税の具体的な使い道をご存知でしょうか。

実は、消費税はそのほぼ全てが社会保障費として使用されています。

消費税が還元されていることに実感はないかもしれませんが、社会保障費とは私たちの生活を支えてくれている重要なものなのです。

そこで、大きく4つに分けられている社会保障費についてわかりやすく説明します!

①年金

日本の企業の多くは60歳を定年としていますが、定年後の生活のために年金制度があります。

元々は年金は60歳から貰えるお金でしたが、65歳に引き上げられました。(例外もあります。)

現役時代に納めた金額によって貰える年金の金額は変わってきます。

2018年のデータによると、年金には約11兆8000億円が国から支払われています。

②医療費

私たちは病気や怪我をして病院に行くと治療費を支払いますが、健康保険や国民健康保険の加入者であれば実際の治療費の3割負担で済むことは一般的に知られていると思います。

例えば実際の治療費が1,000円だとすると、病院に支払うのはそのうちの3割の300円で、残りの700円は国が病院に支払っています。

この国が支払っているお金は私たちの健康保険料から使用されていますが、それだけでは不十分なため消費税として集めたお金も使用されています。
そして、消費税は低所得者の国民健康保険料を軽減するためにも使用されており、多くの人たちのサポートをしています。
2018年のデータによると、医療費には年金とだいたい同じで約11兆8,000億円が国から支払われています。

③介護

介護と聞くとお年寄りを思い浮かべる人が多いかもしれませんが、若くても重い病気で介護を必要とする人たちもたくさんいます。

介護は高額になることが多いため、自分たちだけて治療費を支払うことはとても大変です。

そのため、在宅介護や介護ケアシステム、介護給付金などにも消費税が使用されています。

2018年のデータによると、介護には約3兆1,000億円が国から支払われています。

④子育て支援

消費税は小さな子供のいる家庭に支給されるお金や保育園を増やすためなど、子育て支援にも使用されています。

保育園を増やすことについては、時代の変化により仕事と育児の両立をさせる家庭が増えてきているため賛成の声も多くなっています。

子供が減ってしまえばお年寄りばかりの国となり、税金を支払う人がいなくなってしまいますよね。

そのため、金銭的な理由で子育てを断念してしまうことを減らすためにも、安心して子育てができるためのサポートとしても消費税は使用されています。

2018年のデータによると、子育て支援には約6兆2,000億円が国から支払われています。


これら4つの社会保障費を合計すると、約30兆円になりますが、2018年度の消費税による税収は約19兆円となっています。

えっ!?と思った人も多いかと思いますが、消費税で集めたお金が約19兆円で、社会保障費に使用されている国のお金が約30兆円ということは、約11兆円も足りていないことになります!

約11兆円も足りていない社会保障費をどうやって補っているのかと言うと、国が国債を発行して埋め合わせをしています。

国債とは、わかりやすく説明すると国の借金のことです。

ですが、この国債の発行は2018年だけのことではなく何年も続いていることですので、その結果として国の国債は現在なんと、1000兆円を超えています。

1000兆円…!!

もはや想像もできません!

国債は国の借金ですので、当然ですがいつかは返済しなければなりません。

しかし、1000兆円もの借金を本当に返済できるのかは疑問ですよね。

そこで、この借金の返済方法を考えた結果、消費税の増税が考えられたわけです。

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消費税を増税することのメリット

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2019年10月に消費税率が現在の8%から10%に引き上げられます!

消費税が社会保障費に大切に使用されているとわかっても、できれば増税は避けたいですよね…。

増税すると消費者の購買意欲が減り景気の悪化が予想されますし、駆け込み需要の反動などマイナスイメージが多いと思います。

しかし、税金の中でも消費税を増税させるのにはちゃんとしたメリットもあるんです!

そこで、消費税のメリットをまとめてみました!

①税収が安定する!

所得税や法人税の税収は景気に影響されやすいですが、消費税は景気に左右されにくいためとても安定した税収を得ることができます。

②国民全体から幅広く課税できる!

所得税は所得は少なくても貯蓄がある高齢者にも課税できるため、社会保障費の財源にふさわしいとされています。

現在、高齢化社会となり働く世代が減ってきているため、所得税や法人税を引き上げると現役世代にばかり負担が集中してしまいます。

その点で消費税は同じ条件で課税されるため、不公平感がありません。

③働く意欲の阻害をしない!

所得税は累進課税のため、頑張って働けば働くほど税率が上がってしまい働く意欲に影響を与えないとは言えませんよね。

消費税は人により税率の変化がないため、働く意欲に対しての影響は所得税に比べればないと言えます。

④脱税が難しい!

そもそも消費税を脱税しようと考える人はいないかもしれませんが、所得税の場合は収入や経費をごまかして本来よりも税金を少なく支払うことも可能な税金です。

しかし、消費税は支払う代金に対しての税金のため、脱税が難しく不正を働くことができません。

このように、所得税や法人税ではなく消費税を増税させるのにはメリットがあります。

今まで考えたことがありませんでしたが、個人的に不公平感がないことはとても大切だなと思いました。

まとめ

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消費税の歴史などについてわかりやすくまとめてみましたが、いかがでしたでしょうか。

消費税の歴史を振り返ると、平成元年に消費税が導入されてから段階的に消費税率が引き上げられてきたことがわかりましたが、それに伴い税収が増加してきたわけではありませんでした。

2019年10月には消費税が10%に引き上げられることが決定されています。

私たちにとって消費税の増税は家計へのマイナスイメージが大きいですが、消費税を増税することにはメリットもあります。

そして、消費税は社会保障費に使用されていますので、私たちの生活にとって大切な税金であることを覚えておきたいものですね。

最後まで読んで頂き、ありがとうございました!

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