先日、メジャーリーグ・マリナーズのイチローが球団と生涯契約を結んで「会長付特別補佐」に就任することを発表し、注目が集まっています。
イチローは約2ヶ月前に古巣であるマリナーズに電撃復帰しましたが、激しいポジション争いの中で打率は2割5厘と低迷していました。
突然の会長付特別補佐という驚きのポジションへの就任ですが、引退ではなく現役続行です!
今シーズンは残りの試合には出場しませんがチームには同行して、一緒に練習をしながらチームメイトのサポートをしていくようです。
来シーズン以降に故障者が出た場合には、選手として再びプレーする可能性もあるようです。
この異例とも言えるポジションへの就任は、イチローのこれまでの輝かしい活躍があってからでこそです。
そこで、今回はイチローが残した軌跡をたどってみたいと思います。
天才イチローの軌跡!
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イチローの軌跡の前に、イチローがプロになってからのチーム遍歴は…
1992年~2000年オリックス・ブルーウェーブ。
2001年~2012年7月シアトル・マリナーズ。
2012年7月~2014ニューヨーク・ヤンキース。
2015年~2017年マイアミ・マーリンズ。
2018年~シアトル・マリナーズ。
となっています。
ここでは、天才イチローの軌跡を名場面を中心にまとめてみました。
天才野球少年がプロの世界へ!
1973年10月22日、愛知県西春日井郡で鈴木一朗は誕生しました。
幼少期からオモチャのバットやボールを好み、父に連れられてバッティングセンターにも通っていました。
小学生の頃にはすでに時速120キロを超える球を打ち返し周囲を驚かせていたようです。
高校は野球の名門である、愛知にある愛工大名電高校へ進学して2年で外野手、3年では投手として甲子園大会に出場しましたが、どちらも初戦で敗れています。
当時はバッティングに際立つものはありませんでしたが、オリックスの三輪田勝利により天性の打撃センスを見抜かれ、1991年秋にドラフト4位で指名されプロの世界へと導かれました。
プロ入りするも1軍には定着できず…
打撃の天才ですが、プロ入りしていきなり大活躍することはありませんでした。
プロ入り1年目から首位打者になるなどの活躍を見せましたが1軍にはなかなか定着できずに、2年目も1軍に上がってもすぐに2軍に落とされ悔しい思いをしていました。
1軍に定着できない理由としては、上げた右足を横に滑らせるようにして相手側に踏み込む独特の「振り子打法」でした。
これにはタイミングは取りやすいものの速球には振り遅れる欠点もあり、河村健一郎コーチと二人三脚で振り子打法を修正して、その後の大ブレイクにつながることとなりました。
大きな転機!イチロー誕生!
1994年、オリックスの監督に仰木彬氏が就任し、鈴木一郎という名前が平凡すぎるという理由から「イチロー」の登録名を与えて売り出しました。
仰木監督はイチローの才能を早々に認めており、1軍に定着してレギュラーを外されることもなくなりました。
相手投手によって打線を組みかえる「猫の目打線」が有名でしたが、1番・右翼の座は不動でイチローはプロ3年目で打撃が爆発しました。
次々と記録を更新!
1994年9月20日、シーズン200安打を達成しました。
6日前に当時の最多記録であった191安打を達成したばかりで、次々と記録を更新していきました。
その後、安打は210まで伸びて首位打者にも輝き、メジャーに移るまでの7年間連続でこのタイトルを獲得しました。
優勝を2度経験して、MVPも3度獲得!1999年には史上最速の757試合目で1000本安打を達成し、2000年にはパ・リーグ最高の3割8分7厘を打ちました。
メジャーへの挑戦を発表!
2000年10月、イチローは26歳でメジャーに挑戦することを発表しました。
それまで投手としてメジャーに挑戦した選手は多くいましたが、打者としては初めての挑戦で、日本人選手としては入札制度を初めて使用した移籍でもありました。
マリナーズが14億円で交渉権を獲得し、イチローも喜びました。
背番号は大投手であるランディー・ジョンソンが付けていた51で、球団側の期待の大きさの表れでもありました。
当時は日本人は打者としてはメジャーで通用しないとの見方をされていましたが、イチローは風評を吹き飛ばし1年目から大活躍を見せたのです。
メジャーデビュー!
2001年4月2日、本拠地シアトルでのアスレチックス戦でメジャーデビューを果たしました。
1番・右翼で先発出場し、初打席は二ゴロでしたがその後にイチローらしい2安打を決めて活躍を見せました。
メジャー1年目は、メジャーの新人最多安打記録を塗り替える242安打を記録し、リーグでのMVPや新人王、首位打者、盗塁王だけでなく、オールスター戦にも最多得票数を集めて出場しました。
イチローは周囲の期待をはるかに上回る大活躍を見せました。
野茂英雄、松坂大輔との対決!
メジャー1年目の5月には、メジャー挑戦の先駆者である野茂英雄投手との対決が実現しました。
日本では野茂からプロ初本塁打を奪っていましたが、メジャーでの初対決結果は3打席無安打で死球も受け洗礼を浴びました。
イチローと野茂の対決は日米通算25打数8安打でした。
2007年4月には松坂大輔投手との初対決がありました。
松坂との対決結果は4打数無安打に終わり、メジャーでの対戦は通算32打席27打数7安打という結果でした。
メジャー4年目に最多安打記録更新!
2004年、シーズン最多安打記録を更新しす偉業を達成!84年間破られていなかったジョージ・シスラーの257安打を上回って、262安打まで記録を伸ばしました。
その歴史的な瞬間の動画がこちらです!
何回見ても感動的です!
史上初!ランニングホームラン!
さらに、2007年のオールスターゲームでは史上初のランニングホームランを放ち話題になりました。
その時の動画がこちらです!
さすがイチロー!カッコいいです!
不滅の記録を次々と塗り替える!
2008年9月には、デビューから8年連続200安打のメジャー記録に並んで107年ぶりのタイ記録になりました。
イチローは不滅とされていた記録を次々と塗り替えていったのです。
そして、日米通用3000本安打も達成し日本プロ野球の張本勲氏が持つ最多安打記録の3085安打まであと2本に迫り2009年を迎えることになりました。
満塁本塁打で大記録を達成!
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最多安打まであと2本に迫り迎えた2009年でしたが、胃潰瘍のために開幕戦から故障者リスト入りしていました。
そして復帰初戦、エンゼルス戦で三回に中前打を放ち記録更新まであと1本とすると、七回の第5打席でなんと右翼へ満塁本塁打を放ち、張本勲氏が持つ記録に並びました。
偉大な記録を満塁本塁打で決めるなんて、さすがイチローですね!
その後試合で、ヒットを放ち張本勲氏の記録を抜いて、イチローは日本選手で最もヒットを打った男になりました。
偉業の達成に観客はスタンディングオベーションで祝福し、球場の電光掲示板には祝福のメッセージも映し出されました。
伝説の一打!最強守護神リベラからサヨナラホームラン!
2009年9月18日、マリナーズvsヤンキース戦はマリナーズのエースであるフェリックス・ヘルナンデスの最多勝もかかった大一番でした。
1点差を争う場面で、相手は最強守護神のリベラ!
マリナーズは簡単に2アウトを取られましたがスイニーがヒットを打ち、その後にイチローが回ってきました。
そこでイチローはなんと初球を見事に運び逆転サヨナラ2ランホームラン!
その伝説の一打が動画がこちら!
この日はリベラの1000奪三振を記録した日でもありましたが、その記録に完全に水を差す形になりました。
イチローは打率の高さの割にはサヨナラの機会はあまりなく、この前の試合でメジャー2回目のサヨナラを放っていました。
まさかの2試合連続での劇的なサヨナラ!
さすがイチロー!その姿に誇らしさを感じます。
やはりイチローは何かを持ってる男ですね!
WBCでも存在感を発揮!
イチローはWBCでも存在感を発揮しました。
2009年、サムライジャパンの一員として1番・右翼として全試合に出場しました。
イチローとしては本調子とは言えない打率が2割前後と低迷していましたが、決勝の韓国戦では6打数4安打と絶好調!
延長戦では試合を決める決勝タイムリーを放ちました。
その時の動画がこちら!
先ほども言いましたが、この大会でイチローは絶不調でした。
そのイチローを全試合1番で起用していた監督もある意味すごいと思いますが、イチローにかかる重圧は想像を絶するものであったに違いありません!
その後イチローは「想像以上の苦しみとつらさを経験した」と言って体調も崩してしまったようです。
この手に汗にぎる決勝タイムリーは、まさに名場面ですね。
イチローは守備もスゴかった!
これまではイチローの打者としての名場面を紹介してきましたが、イチローの魅力は打撃だけではありません!
強肩や俊足を生かした守備も輝いています。
日本では守備のベストナインとされるゴールデングラブ賞を7年連続受賞し、メジャーでもゴールドグラブ賞を8年連続で受賞しています。
メジャー1年目の試合では三塁に走った一塁の走者を右翼からの好返球が炸裂し仕止めました。
そのイチローの好返球を見た実況アナウンサーが「レザービームだ!」と叫び、その後代名詞のようになりました。
2005年には、本塁打性の当たりをフェンスに登りキャッチするスーパープレーを披露し「スパイダーマン」とも呼ばれました。
イチローは練習中に背面キャッチを披露してファンを喜ばせています。
私はこの背面キャッチを見るのが好きですが、ファンを沸かせるためのサービスだけではなく、目でボールを見なくてもそのような状態に体を慣らすための練習なのだとか。
イチローは打撃も守備も一流ですね!
日米通算で歴代最多安打記録を達成!
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2016年6月15日、マーリンズのイチローはパドレス戦で2安打を放ち日米通算で4257安打に到達しました。
これにより、ピート・ローズが持つメジャー記録の4256安打を上回り歴代最多安打記録を達成し、その後も記録を伸ばしています。
イチローは7個のギネス記録保持者!
イチローは数々の偉業を成し遂げたことから、7個のギネス記録保持者となっています。
そこで、ギネスに認定された記録を認定順にまとめてみました。
①2001年・メジャールーキー最多242安打
②2004年・メジャーシーズン最多262安打
③2006年・メジャー1シーズン連続39盗塁
④2007年・メジャーオールスター史上初のランニングホームラン
⑤2010年・メジャー最多10回目のシーズン200安打達成
⑥メジャー最長10年連続シーズン200安打達成(2001年~2010年)
⑦2016年・日米通用歴代最多安打記録4257本
イチローの通算成績
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イチローの素晴らしい成績を日本プロ野球、メジャーリーグ、日米通算にわけてまとめてみました。
日本プロ野球・メジャー・日米通算
打率 .353・.311・.322
試合 951・2651・3602
打席 4098・10728・14826
打数 3619・9929・13548
得点 658・1420・2078
安打 1278・3089・4367(歴代最高)
二塁打 211・362・573
三塁打 23・96・119
本塁打 118・117・235
打点 529・780・1309
盗塁 199・509・708
犠打 9・50・59
犠飛 27・48・75
四球 384・646・1030
死球 59・55・114
三振 333・1079・1412
出塁率 .421・.355・.373
長打率 .522・.402・.434
イチローの輝かしい成績は語り継がれていくでしょう。
まとめ
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イチローの軌跡や成績のまとめはいかがでしたでしょうか?
イチローは天才と言われていますが、たくさんのが努力あってここまできた努力の天才でもあります。
先日、マリナーズとの生涯契約を結んで「会長付特別補佐」に就任することを発表しましたが、この異例とも言えるポジションへの就任は、イチローの軌跡を振り返ってみると納得ですね。
今シーズンの試合には出場しませんが、引退ではなく現役続行です。
これからのイチローはどんな活躍を見せてくれるのか楽しみですね!
最後まで読んで頂き、ありがとうございました!