電話やはがきなどを利用して相手をだまして金銭の振り込みを要求する「振り込め詐欺」という犯罪行為のことはみなさんもすでにご存知かと思います。

オレオレ詐欺という言葉を以前はよく聞いていたけど、最近はあまり聞かないなぁと思っている方はいませんか?

近年は詐欺の手口が多様化してきているため、名称と実態が合わないとして2004年12月9日に、警察庁が振り込め詐欺に統一することを決定しました。

振り込め詐欺の被害額は年々減少傾向にはありますが、手口が巧妙化しているため被害者が出てしまっているのが現状です。

そこで今回は、振り込め詐欺の手口の移り変わりや、最新の手口、被害額などについてまとめてみました。

ぜひ、最後までご覧下さい!

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振り込め詐欺のはじまりはいつ?

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現在のような電話をかけて金融機関の口座に振り込みをさせる詐欺が注目され始めたのは、21世紀に入ってからです。

まず、1999年8月頃から2002年12月頃までに電話を使用して「オレオレ」と身内を装って11人に銀行口座に振り込ませた事件がありました。

2003年2月、鳥取県警米子署がこの手口を「オレオレ詐欺」と名付けたことから、オレオレ詐欺という言葉が誕生しました。

そして、オレオレ詐欺でもさらに手の込んだ架空の口座を利用した詐欺が生まれたのは、2003年2月に東京都杉並区のヤミ金融業者が最初とされています。

オレオレ詐欺などの振り込め詐欺が世間に広まったのは、詐欺を紹介して注意喚起をするための報道がなされたためです。

最初の頃の手口は、手当たり次第に電話をかけたり、電話帳から一人暮らしの高齢者を予測して電話をかけていました。

そして、高齢者が電話に出たとわかると「オレオレ」と言って遠くに住む孫などを装って、緊迫した状況を演じて所定の口座へ大金を振り込ませるというものでした。

しかし、テレビや新聞などで手口を詳細に報道したために、これなら自分もできる!と模倣犯を激増させてしまった事実もあります。

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最初は詐欺の犯人は単独だった!

振り込め詐欺がはじまった頃は、犯人がオレオレと名乗り1人で子どもや孫などを演じていました。

しかし、手口が巧妙化していくにつれて債務者であるとする人物も電話口に出るようになり、2人以上の組織が共謀して複数人が電話に出る形の手口に変化していきました。

また、演じる対象も家族をはじめとする親類に拡げて、交通事故や痴漢、横領、借金返済などの加害者や債務者に仕立てる手口も使われるようになりました。

最初の電話では金銭問題を話題に出さずに何度目かの電話で金銭の要求をしたり、被害者やその関係者、弁護士、警察官、駅員などに装って数人で演じて、サイレンなどの効果音まで流す演出をするため劇団型犯罪や劇場型犯罪とも呼ばれています。

「オレオレ」から個人名を名乗るように!

個人情報を事前もしくは、やり取りの過程で入手してオレオレではなく、個人名を名乗るケースが増えていきました。

それによって、相手の職業に応じた演出も行われるようになりました。

さらに、本物の親類への確認連絡をさせないために、詐欺をしかける相手家族の電話番号まで調べ先にその親類へ長電話をかけて「話し中」にさせたり、いたずら電話を何度もかけて携帯電話の電源を切らせるなどの作戦も始まりました。

かなり手が込んでいますよね。

初期には単独犯の荒っぽい犯行でしたが、大がかりな組織によってシステム化した犯行になったため、対象者の名簿が存在する事例や、組織内でマニュアルを元にして訓練を行っている事例もありました。

そして、暴力団と繋がっていたりだまし取ったお金が暴力団の資金源とされているとの報道もありました。

2014年6月には、振り込め詐欺によりだまし取ったお金が資金源になっていたとして指定暴力団の極東会本部への家宅捜索も行われました。

振り込め詐欺の種類とその対策について

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振り込め詐欺とは、①オレオレ詐欺、②還付金詐欺、③架空請求詐欺、④融資保証金詐欺の4種類の詐欺の総称です。

種類別に手口や対策についてまとめてみました。

①オレオレ詐欺

電話を利用して親族や警察官などを装って、金銭借用のためや被害を防ぐためなどとして現金を預金口座に振り込ませたり、直接被害者と接触して現金やキャッシュカードだまし取る詐欺のことです。

まず注意することは、オレオレ詐欺で警察官や銀行員などを装っている場合は、犯人が自宅まで直接現金を取りに来ることが多いです。

絶対に現金などは渡さずに警察に連絡しましょう!

対策

オレオレ詐欺の対策として大事なポイントはこの4つです。

①冷静になりとにかく疑う!

相手をすぐに信用しては、相手の思うツボです。

実際に本人の携帯に一度電話をかけてみたり、家族しか知らない合い言葉のような質問をしてみるのも効果的です。

②こちからは情報を言わない!

オレオレと言ってきても、こちらからは家族の名前などを絶対に言わないようにしましょう。

③相手が警察官などを名乗ってきたら、名前や所属を確認する!

NTTの番号案内(104)を利用して確認した番号が本当かどうか確認してみましょう。

④行動する前に誰かに相談する!

どんなに緊迫した雰囲気でも、誰かに相談してからでも遅くはありません。

②還付金詐欺

税金の還付などに必要な手続きだと装って、被害者にATMを操作させて口座間の送金によって不法な利益を得る詐欺のことです。

対策

還付金詐欺の対策としての大事なポイントはこの3つです。

①社会保険事務所や市役所からの還付金はウソ!

このそうな還付金は存在しません。

②犯人がよく使うキーワードを頭に入れておく!

・市役所保険課、・市役所福祉課、・社会保険事務所、・医療費の還付があります、・○○のATMコーナーに行ってください(スーパーなど)、・お客様番号は○○○○○○です

などがあります。

③行政機関に確認する!

市役所などに本当に還付金があるのか確認してみるのが早いです。

※還付金はATMで受け取ることはできませんので、本当の還付金であれば行政機関の窓口で行われます。

犯人はATMに着いたら電話をするように言ってくるので、電話をかけながらATMの操作をさせられるようなことがあれば絶対にあやしいと思ってください!

③架空請求詐欺

インターネットや郵便などを利用して不特定多数の人たちに対して、架空の事実を口実とする料金請求書などを送付して現金を口座に振り込ませだまし取るなどする詐欺のことです。

対策

架空請求詐欺の対策としての大事なポイントは2つです。

①自身に覚えのない請求は無視をする!

念のため家族にも確認してみると良いでしょう。

②請求書に書いてある連絡先には連絡しない!

連絡すると逆に個人情報をおしえてしまう可能性もあります。

※簡易裁判所が宛先で「支払催促」や「呼出状」などど文書が届く場合もあります。

この手の文書は、誰かに相談しずらいと思いますが文書の真意を確認する前に、まずは連絡先が本当であるかNTTの番号案内(104)で確認してみることが大切です。

④融資保証金詐欺

実際には融資する意思がないのに、融資する内容の文書などを送付して保証金などの名目で口座に現金を振り込ませだましとしたなどする詐欺のことです。

対策

融資保証金詐欺の対策として大事なポイントは2つです。

①甘い話には必ず裏がある!

甘い話には安易に飛びつかないようにしましょう。

本当に融資が必要であれば、正規の業者に申し込む方が安心です!

②保証金をすぐに振り込まない!

何度も振り込みの要求がある場合はおかしいと思いましょう。

※ある日突然、自宅や事務所に融資の案内が来た場合は特に注意が必要です。

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最新の振り込め詐欺の手口

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テレビや新聞で振り込め詐欺について頻繁に報道されていますが、手口が巧妙化していまだに被害者が出ているのが現実です。

それでは、最新の手口にはどんなものがあるのでしょうか?

今回は、振り込め詐欺の中でも広く知られているオレオレ詐欺の最新の手口を紹介します!

オレオレ詐欺は、被害者の息子や孫、夫になりすましてきますが、要求される金額はかなりの高額の場合が多いです。

お金を要求する理由にはこんなものがあります!

・交通事故を起こしてしまい示談金が必要

・不倫相手を妊娠させてしまったため中絶費用が必要

・友人の借金の保証人になってしまったためお金が必要

・会社の小切手が入ったバックを無くしてしまったためお金が必要

・賃貸物件を破損してしまいリフォーム費用が必要

・会社のお金を利用して株の運用をしていたが証券会社に持ち逃げされてしまったためお金が必要

・信頼している上司が本を出版するため援助費用が必要

などがあります。

いかがでしょうか?

少し考えれば、出版費用の援助が理由など絶対おかしい!というものもありますが、実際に被害が報告されているものなのです。

いかに緊迫した雰囲気で、疑いを持たせる前に話を進めてくることが想像できますよね。

最近では、巧妙に手の込んだ手口が多くなっています。

その中でも、電話がかかってきた時にその場で警察や弁護士だと名乗る人に代わりお金を要求する「劇場型」と呼ばれるケースが増えています。

専門家を装ってお金を要求されたら、誰でも動揺してしまいますよね。

また、電話の向こうから車や電車の音が聞こえたり、被害者がいる場合は被害者やその家族に代わるなど数人で状況を作り上げてくるため、信じてしまうようです。

また、警察は詐欺グループを撲滅するための作戦として、だまされたふりをした一般人を利用して、お金を取りに来た犯人をその場で現行犯逮捕することがあります。

これは「だまされたふり作戦」とよばれていて、一定の成果があるようです。

最近では、だまされた作戦を逆手にとって架空の作戦を進める振り込め詐欺の手口も出てきています。

実際に発生した事例としては…

80代の女性に甥(偽者)から「交通事故を起こしてしまいお金が必要になってしまった」と電話がありました。

しかし、この女性は電話を切ったあとに甥(本人)に電話をして交通事故を起こしたのはウソで、電話をしてきた甥が偽者であったことを見破りました。

ですが、それから少しすると警察官を名乗る人から電話がきます。

その電話の内容は「振り込め詐欺の犯人を逮捕しようとしています。お金を受け取りに出てきた所を逮捕しますので、言われた通りに現金を犯人に渡して欲しいです。」

というものでした。

女性は最初の電話のウソは見破ったものの、2回目の電話を信じてしまい自宅前で偽者の甥に現金100万円を渡してしまいました。

その後は、偽者の甥や警察官を名乗る犯人に会うことはなく、100万円は戻ってきませんでした。

警察の作戦を逆手にとって詐欺に利用するとはゆるせませんね!

やはり、高齢者がターゲットにされやすいようです。

振り込め詐欺の被害金額がスゴい!

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昨年1年間(2017年)で全国の警察が認知している振り込め詐欺などの被害件数は、1万8201件で前年比は28.6%増となっています。

現在の統計の方法になった2010年以降で被害件数は最多となりましたが、被害額は約390億3千万円で3年連続の減少となりました。

被害額が減少したのは、1回当たりの被害額が少ない架空請求が増えたことが要因だとされています。

日本での個人の振り込め詐欺被害の過去最高総額は2016年2月から5月までに、80代女性が証券会社社員を装った犯人にだまされたもので、総額はなんと!5億7000万円です。

会社を経営している女性だったようですが、驚きの金額ですよね!

さらに、警察が詐欺グループが犯した被害総額として過去最高総額としているのは、約370人から30億円以上の入金があった事例としています。

この詐欺グループは2012年5月に28人が一斉に逮捕され、その時逃亡していた首謀者も11月に逮捕されています。

まとめ

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振り込め詐欺の手口の移り変わりや、最新の手口、被害額などについてまとめはいかがでしたでしょうか?

振り込め詐欺の手口は巧妙化しているため、テレビや新聞などで被害を報告しているのにもかかわらず、いまなお被害者が出ているのが現状です。

自分は大丈夫だと思っていても、何があるか分かりません!

もう一度、連絡先の確認など家族での話し合いをしてみてはいかがでしょうか。

また、警察では振り込め詐欺の被害防止の啓発だけではなく、振り込め詐欺に加担しないための啓発も行っているようです。

「荷物を受け取るだけで高額を支払う」

「高額で携帯番号や口座を買う」などの甘い誘いには絶対に乗らないでください!

知らず知らずのうちに自分が詐欺に加担してしまう可能性もあります。

甘い話には必ず裏があると思ってくださいね。

最後まで読んで頂き、ありがとうございました!

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