朝鮮半島が統一するのでは!?と一部で囁かれているのを、みなさんはご存じでしょうか?

それを裏付ける形として平昌オリンピックでは南北統一チームを作り韓国と北朝鮮との間で融和ムードを演出するような姿を見せていましたし、4月には南北首脳会談が実現したことは記憶に新しいと思います。

はたして本当に朝鮮半島が統一する日は来るのでしょうか。

そもそも、なぜ朝鮮半島は分断されたのでしょうか。

私が物心ついた頃には既に朝鮮半島が分断されていたので、理由がよくわかりません。

そこで今回は、統一が噂される朝鮮半島が分断された理由についてや、4月に行われた南北首脳会談などについてもわかりやすくまとめてみたいと思います。

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朝鮮半島分断の歴史

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それでは、朝鮮半島分断の歴史をわかりやすく解説していきますね。

現在は、政治体制や経済状態など大きく異なる朝鮮半島の韓国と北朝鮮ですが、もともとは1つの国でした。

歴史をさかのぼりますと1897年~1910年までは、朝鮮半島を大韓帝国という国が統一していましたが、1910年からは日本の統治下になりました。

それが「韓国併合」です。

韓国併合

1910年8月22日に「韓国併合ニ関スル条約」が調印されて、29日に公布されました。

これが「韓国併合」です。

他にも、日韓併合や日本統治時代などとも呼ばれています。

韓国併合によって、朝鮮半島が名実ともに日本の植民地となり、第2次世界大戦が終結するまで朝鮮半島を統治下に置いていました。

朝鮮半島が北緯38度線で分断

その後、第2次世界大戦で日本が戦いに破れて朝鮮半島から撤退することになり、朝鮮半島が日本の統治下ではなくなりました。

しかしそれ以降、朝鮮半島の北緯38度線から北をソ連が統治して、南をアメリカが統治するようになりました。

それまでは1つの国だった朝鮮半島が、この時から分断されたのです。

よりわかりやすくなりますので、下の画像をご覧下さい!

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こうなった理由をものすごくわかりやすく言ってしまえば、当時は北側も南側も貧しい国だったため、大国であるソ連とアメリカが面倒を見ることになったためです。

北緯38度線で分断された理由は?

どうして北緯38度線で分断されたのか、気になりますよね!

これは、朝鮮半島が日本の植民地時代だった頃に、北緯38度線北側は関東軍司令部の担当で南側が朝鮮軍司令官の指揮下にあったことが関係しています。

ソ連は第2次世界大戦末期に参戦して関東軍と戦い、日本が敗戦した後に関東軍の指揮下にあった北緯38度線の北側を占領したのです。

朝鮮半島が北緯38度線で分断された理由には諸説ありますが、上記の理由からたまたま第2次世界大戦で日本軍の担当区域が分かれていたことが遠因だとも言われています。

ただし、1947年に選挙を行い北側と南側の朝鮮を統一する予定となっていました。

しかし、ソ連は社会主義でアメリカが資本主義のため、朝鮮半島の北側と南側で主義主張の違いが生まれることとなりました。

そして、朝鮮半島の独立運動家たちが主義主張の違いによって活動を始めました。

北側と南側ではそれぞれが独立を主導したいとは思っていたものの、意見が合うはずもありませんよね。

その後もソ連とアメリカの対立は続いたため、北側と南側が統一されることはありませんでした。

離散家族問題

分断された当初は北緯38度線の間を往来することは問題なく可能でした。

しかし、1946年5月23日に北緯38度線を越えて朝鮮人が往来することが禁止されて、離散家族問題が発生しました。

離れ離れになってしまった人たちは1000万人とも言われており社会問題となっています。

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「韓国」と「北朝鮮」の成立!

1948年8月15日、李承晩(イ・スンマン)が宣言を行って北緯38度線より南側に大韓民国(以下、韓国)が成立しました。

そして、それに対抗するかのように1948年9月9日には、金日成(キム・イルソン)がソ連の後ろ盾を得て、北側に朝鮮民主主義人民共和国(以下、北朝鮮)の成立を宣言しました。

統一の可能性も模索されてはいましたが、これをきっかけとして本格的な分断となりました。

なんと、北側と南側がそれぞれ別の国家として独立してしまうとは!

北朝鮮と韓国はお互いに朝鮮を統一したいと思ってはいたものの、主義が違うため理想も違い別々の国家となったわけなんですね。

朝鮮戦争の勃発

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北側と南側は別々の国家となったものの朝鮮を統一したい気持ちはお互いに強いものでした。

そこで、1950年6月25日に北朝鮮軍が38度線を越えて南側に侵攻し、朝鮮戦争がはじまり両国が戦乱に包まれました。

国連の安全保障理事会が停戦を呼びかけて、それと同時に北朝鮮を非難する声明文を発表しました。

しかし、停戦には至らずに3日後には北朝鮮が韓国の首都であるソウルを制圧しました。

韓国側にはアメリカの援軍が向かって、北朝鮮には中国から戦闘員が流れ込んで戦闘は続きました。

韓国と北朝鮮の対立の背景とは?

韓国と北朝鮮が対立する背景には東西冷戦から続くアメリカとソ連・中国の対立があります。

朝鮮戦争前に話が戻りますが、アメリカは朝鮮半島全域をソ連に支配されることを恐れて南側に韓国を成立するように働きかけをしました。

北朝鮮はソ連の後ろ楯を得て成立したわけですね。

朝鮮戦争中も韓国にはアメリカが、北朝鮮にはソ連の代わりに中国が本格的な支援を行いました。

もともと主義主張の違いで別々の国家となったわけですが、朝鮮戦争でさらに両国の対立を激化させることとなりました。

北朝鮮はソ連や中国の支援を受けて、韓国は米軍を中心とした国連軍の支援を受けての朝鮮戦争は1953年まで続きました。

朝鮮戦争は現在も続いている!

1953年7月27日、国連軍の主体であるアメリカと中国、北朝鮮北朝鮮軍が休戦協定に調印をしたため、戦闘は止まっています。

当時、韓国の大統領だった李承晩はこの休戦協定を不服だとして調印式には参加しませんでした。

休戦協定はあくまでも「休戦」で、「終戦」ではありません。

そのため、国際法上では現在も戦争状態にあるのです。

休戦協定によって、朝鮮半島を分断する北緯38度線付近を南北の「軍事境界線」と定めました。

これにより、軍事境界線から南北2キロ以内は非武装地帯に設定されて、許可のない立ち入りや敵対行動なども禁止されました。

朝鮮戦争は、一進一退の攻防で最終的には北緯38度線を境界として膠着状態となり、朝鮮半島の統一が不可能で分断が現在も続いているのです。

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韓国と北朝鮮の南北首脳会談が実現!

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2018年4月27日、南北首脳会談が実現しました。

最近のことで、メディアでも取り上げていたため記憶に残っている方も多いかと思います。

なんと、この南北首脳会談は朝鮮半島が分断されて以来、通算3回目の会談だったそうです。

わずか3回目だったとは、驚きました!

過去2回の会談は、平壌の百花園迎賓館で開催されました。

4月27日に行われた3回目の会談は、北朝鮮の金正恩総書記が最高指導者としては初めて、軍事境界線を越えて韓国側に入り、板門店(パンムンジョム)の「平和の家」で開催されました。

板門店とは、朝鮮半島中間部に位置していて朝鮮戦争休戦のための軍事境界線の上にある地区の名称です。

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現在は休戦協定を守るための監視を行っており、板門店は朝鮮半島分断の象徴的な場所となっています。

私がとても印象に残っているのは軍事境界線の韓国側で、金正恩総書記と文在寅大統領が握手をしたあと、2人で手を取り合って境界線をまたいで北朝鮮側に渡った姿です。

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やはり、歴史的な背景を見ると韓国と北朝鮮のトップがともに軍事境界線を越えた意味はとても大きいですよね。

3回目の南北首脳会談では、板門店宣言が発表されました。

板門店宣言

板門店宣言を読むと細かく色々書かれているのですが、世界中の関心も高い①朝鮮戦争の終戦宣言について、②北朝鮮の非核化についてにしぼってわかりやすく解説していきます。

①朝鮮戦争の終戦宣言について

板門店宣言には気になる朝鮮戦争の終戦宣言についても書かれていました。

内容としては、休戦協定にて休戦中の朝鮮戦争のため「休戦協定を平和協定に転換する」としています。

そして、3者あるいは4者で会談を開催していくとも表明しています。

韓国にはアメリカが、北朝鮮には中国がバックについていますから、3者と4者の中にはアメリカと中国が入ることになりますね。

さらに、軍縮を進めていくとして「いかなる形態の武力も互いに使用しないとの不可侵合意を再確認した」とも書かれています。

具体的に5月から軍事境界線一帯での敵対行為の中止をして、韓国と北朝鮮の間の非武装地帯の呼び方を「実質的な平和地帯」に変更するとしています。

難しい言葉が並んでいますが、要するに朝鮮戦争の終戦に向けての宣言があったということです。

本当に実現するかはわかりませんが、実現すれば3回目の南北首脳会談は歴史的な会談となりそうですね!

②北朝鮮の非核化について

北朝鮮の非核化について南北首脳会談でどこまで話が進むのか、興味があった方が多いのではないでしょうか。

この問題は、世界中からの関心も非常に高い話題ですよね。

板門店宣言の中には、もちろん北朝鮮の非核化についても書かれていました。

その内容としては…

①「韓国と北朝鮮では完全な非核化を通じて、核のない朝鮮半島を実現するという共同の目標を確認した」

②「朝鮮半島の非核化に向けて、国際社会の支持と協力を得られるように積極的に努力する」

ということが書かれていました。

みなさんはどのように思われたでしょうか?

具体的なことについては、何も触れていませんよね。

実は、北朝鮮は南北首脳会談の前に核実験の中止を表明していましたが、持っている核兵器の廃棄については言及していませんでした。

板門店宣言の中でも、非核化に向けて核兵器の廃棄の時期など具体的なことについては明らかにしていません。

目標という言葉も気になります。

努力します!ということだけなのでしょうか…。

これは私の個人的な感想ですが、朝鮮戦争の終戦宣言についてはこのまま話が進んでいくような気がしますが、北朝鮮の非核化については信じられない気持ちの方が大きかったです。

何かと話題になるアメリカのトランプ大統領ですが、南北首脳会談終了後にツイッターにて、「朝鮮半島でよいことが起こっているが、時間がたってみなければ分からない」とツイートしました。

やはり、完全には信用せず警戒しているようですね。

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朝鮮半島統一への問題点

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南北首脳会談が実現し朝鮮半島統一へと前進しているかのように見えますが、問題も抱えています。

まず、政治の問題があります。

統一が実現した場合に誰が国のトップを務めるのかや、どちらの国の憲法を使用するのかも重要な問題ですよね。

もともとは1つの国で、言葉が同じだとしてもお互いに絶対に譲れない部分はあると思います。

統一するとなればお互いに妥協しながら話を進めていくとは思いますが、簡単に決まるものではありませんよね。

そして、お金の問題もあります。

韓国と北朝鮮を統一するとなると、もちろんお金もかかります。

その費用は莫大な金額で、1年間で最低250兆円が必要になると考えている方もいます。

想像をはるかにこえた金額ですよね。

誰がこのお金を用意するのでしょうか…。

さらに、国民の意識の問題もあります。

朝鮮半島が分断されてから韓国と北朝鮮の対立は激しいものでしたよね。

北朝鮮も最近まで核実験やミサイル発射を行っていたため、統一に疑問を抱いている国民も多いと思います。

この他にも問題はあると思いますが、数々の問題を解決して統一するとすれば、まだまだ時間がかかるような気がします。

まとめ

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朝鮮半島が分断された理由や、南北首脳会談などについてわかりやすくまとめてみましたが、いかがでしたでしょうか?

朝鮮戦争は休戦中でしたが、終戦に向けて進んでいます。

南北統一にはさまざまな問題があり、早急にとはいかないかと思いますが、南北首脳会談も実現したことで現実味も出てきました。

先日は米朝首脳会談も行われ、北朝鮮周辺の動きが活発になっています。

今後どのように進んでいくのか気になりますね。

最後まで読んで頂き、ありがとうございました!

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